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mixiユーザー(id:2399973)

2016年05月16日16:30

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「あのひと」〜オダサク幻の脚本、映画化

2012年のこと、織田作之助が戦中に書いたとされる脚本が中之島図書館で発見されたという。そこでそのセリフを一字一句変えることなく山本一郎監督により映画化。しかもスクリーンサイズはスタンダード(4:3)そして全編モノクロ。メインキャストは京都の「劇団とっても便利」の劇団員たち。脇を固めるのが田畑智子・神戸浩・福本清三といったところ。

戦死した上官の遺児を共同生活で育てる4人の若き部下。そして同じ町に住む年ごろの女性たち4人。おそらくそれぞれが“あのひと”にほのかな恋心を抱いているんだろうけど、戦時下の日本のこと、気持ちをストレートに表現する人間なんてひとりもいない。緊迫した世情とは対照的に、どことなくほのぼのとした空気が京都の裏長屋にはただよう。

画面の片隅に、時代考証をまったく無視した現代的な小道具がときおりチラホラする。最初のうちはイージーな造りの低予算作品だなと、鬼の首でもとったような気分になったのだが、やがてある決定的な文字群を見てこれらは製作側の意図的なユーモアだとわかってくる。そういう目で見れば、女性陣のメイクや衣装もどこか現代的な部分が混ざっている。

まあそういう些末的なことは物語の本筋に関係なし。やっぱりここは一字一句変えなかったというシナリオ、オダサクが綴ったユーモア漂うセリフのやりとりをじっくり味わうべきなんだろう。ほとんど固定されたモノクロ画面、そして昭和の時代ならではの言葉づかいからは、かっての名作日本映画を思い起こしたりも。緊張と緩和の妙が実に味わい深い作品でありました。
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2016年05月16日 19:50
     固定された画面というだけで、なんだかレトロな映画という感じがしますね。
     移動カメラの斬新な画面も、まぁそれはそれでいいのですが、固定された画面というのは、どこか安心できるものがあります。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2016年05月17日 02:00
    > mixiユーザー あとスタンダードサイズのスクリーンというのが、かってのブラウン管テレビの縦横比率と同じでどこか安心感がただよいますね。

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