個性派俳優ジョン・タトゥーロが監督・脚本そして主演ジゴロ役、というよりウディ・アレン14年ぶりに自身監督作品以外への出演ということのほうが気になるラブ・コメディ。宣伝媒体では“粋な大人のニューヨーク”ばかり謳っているけど、実際はユダヤ文化なるものがストーリー全体をかなりの比重で覆う作品。ユダヤ文化に詳しければもっと深く味わえたかも…。
まあそれはさておきポン引き役ウディ・アレンはあいかわらずのウディ・アレン。そしてお久しぶり(でもないか)のシャロン・ストーンもあいかわらずシャロン・ストーンのような女性を演じてました。ヴァネッサ・パラディはやっぱりトシとったなあと。警備員役のリーヴ・シュレイバー(実生活ではナオミ・ワッツのダンナ!)は阪神のゴメスに見えてしかたなかったし。
…とここで話を強引に野球へ。ウディ・アレンが子どもたちに野球を教えるシーンがあり、彼が打撃フォームの手本とすべく引用した選手がなんと今年楽天にやってきたユーキリス!そう彼はWBCにはイスラエル代表として出る予定だったユダヤ系。ユダヤ文化には詳しくなくても野球なら多少知ってるこちらとしては思わずニヤリとしてしまったのでした。
ウディ・アレンは脚本アドバイザーも兼ねているというから、今後は監督業にもこだわりたいらしいタトゥーロが、アレン映画の筆頭継承者に名乗り上げた節目の作品といえるかもしれません。この場面、アレンが監督だったらこう撮ったかな、なんてレベルで観れたら楽しいとは思うのですがそこまではなかなか。晩秋のニューヨーク、陽のかげり具合がやたらと美しい作品でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する