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2014年04月11日16:40

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「チスル」〜向かい合う悲しみ

韓国現代史最大のタブーと言われている「済州島4・3事件」。米軍統治下にあった韓国軍と警察は、暴徒鎮圧の名の下1948年から7年間にわたり無辜の島民約3万人を無差別に虐殺した!この悲しき史実に初めて正面から向かいあった問題作。監督オ・ミヨルそしてスタッフ・キャストすべて済州島出身。実際に島民が逃避していた洞窟とその周辺でロケ敢行。

なんだか硬い書き出しになってしまいましたが、とにかく重くてつらい映画だったのです。多少のユーモアもあるんだろうけど、それを受けとめる余裕なんていつのまにかなくなってるし。銃を向ける側も逃げまとう側も、なんでこんなことになってしまったんだろうという悲しさ・恐れ・いらだち・憐れみを抱き、全編モノクロームのスクリーンからそれらがあふれてくる作品です。

こちらの勉強不足を棚に上げて言うのもなんだけど、最大のタブーを初めて暴いた映画作品だとしたら、もうちょっとドキュメンタリー的要素があってもよかったのでは。史実を掘りさげていく場合、最初に教科書的作品があって、さらに別の視点から描いた作品がいくつか生まれてくるのが常道なんだけど、今回はいきなり別の視点からこの悲劇をのぞいた気がします。

この悲しい史実に関しては、かって済州島を訪れたときに知らされた記憶があるんです。ある寺院の境内に日本語で書かれたあらましを目にして驚いたような気が。まあ90年代前半のことなのでそこまでこの事実がオープンにされていたかどうか、ひょっとしたら記憶違いなのかもしれませんが。どちらにしても韓国現代史ってまだまだ明らかにされていない部分が多いですね。
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