67歳のシルベスター・スタローンと70歳のロバート・デ・ニーロがリングであいまみえる!誰がこんなとほうもないことを考えたのか。そしてどれだけのおカネが動くのか。ホイホイとこの企画に乗っかるふたりもふたりだけど。80年代にチャンピオン・ベルトを争った元ボクサーふたり。調子のいいプロモーターに乗せられて再び激突。
おそらくこのふたりはかなり身体を鍛えたのではないかと。老体にムチ打ってなどという表現は失礼千万、役者魂なんて言葉もありきたりに思えてくる現役感。誰にでもわかるセルフ・パロディをひんぱんにくりかえすスタローンも、とても字幕にできない下品な言葉を連発するデ・ニーロも、真剣にこの役柄を楽しんでいるようにみえるのです。
全編に漂う同窓会的雰囲気。キム・ベイジンガーが“相変わらずいい女でしょ”と久々に登場して物語のカギを握るかと思えば、アラン・アーキンはいつもながらずっと渋いまま。そして音楽はトレバー・ラビンとこれまた80年代。ニューヨークやロサンゼルスではなく工業都市ピッツバーグという舞台がリアリティを生んでいるように思えます。
そしてこの対決、きっちり決着がつきます。そう、どちらかが勝つのです。この手の作品はえてして引き分けに終わらせて八方丸くおさめるのだけど、あえてそうしなかったところに製作側の真剣味を感じました。いつのまにか優しい気持ちでこのふたりを見つめていることに気がつく作品。まさか続編などとは言いださないだろうけど。
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