小柴昌俊博士が設計を指導・監督したカミオカンデは大量の純水を入れた観測装置で、岐阜県の神岡鉱山地下1000mに設けられました。地下に置いたのは、他の宇宙線の影響を避けるためです。原子の一つである陽子の崩壊を観測する目的でしたが、陽子の寿命が予想以上に長く、崩壊を観測できませんでした。
しかし、宇宙や太陽からやってくるニュートリノは殆どの物質を通り抜けて来るので、カミオカンデで観測しようということになりました。
太陽からやって来るニュートリノを観測中に、1987年2月23日に、カミオカンデは、16万光年離れた大マゼラン星雲で発生した超新星爆発 (SN 1987A) で生じたニュートリノを偶発的に世界で初めて検出しました。この発見で、2002年にノーベル物理学賞を受賞しました。
ニュートリノの速度は光より僅かに遅く、先に上記の超新星爆発が起こっていることがわかっていたはずですが、間一髪のところで観測に成功しました。
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