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2022年06月21日21:10

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神宮スズメの独り言2022春〜86〜坊主頭のチーム

昨日の東都1部2部入替戦での日記でボクは中央の清水監督の対応をある意味で批判した。それは監督采配でこうあるべきだとか戦術面での話ではない。昨日の中央は苦しみながらも接戦を繰り広げていたが、投手に打球が直撃するというアクシデントから試合の流れが変わって大敗した試合だった。その時の投手はそのアクシデント以来明らかに投球の質が変わっていたにも関わらず四死球を連発したあと満塁弾を浴びて降板した。

その試合での中央の清水監督のコメントはこうだ。

投手本人は行けると言ったので続投させた。その前のチャンスを活かせなかったのが痛かった・・・

ボクは学生野球での総括を選手のせいにしてこれほどうんざりするようなコメントをする人が大嫌いだ。だからこそこんな監督は無視して北村主将こそが立ち上がれと昨日の日記に書いたのである。

北村君との出会いは全試合を生観戦した第100回の甲子園。いきなり智辯和歌山との試合で2本の本塁打を放ち、2回戦は前橋育英を撃破。3回戦の常葉菊川戦では4連続タイムリーという離れ業を演じた。林君有馬君という2年生バッテリーと北村君らの打撃力で勝ち進んだ近江は準々決勝で金足農のツーランスクイズの前に逆転サヨナラで散った。

まだコロナなど知らなかった2018年。その準々決勝は土曜日だった。甲子園は当然満員札止め。5万人近い大観衆が詰めかけた。大舞台での晴れ姿とその惨劇。それを知る北村君。あの大観衆の中での痺れる試合の経験だけを言えば清水監督などその比ではない。だからこそ中央を率いるのは監督ではなく彼だ。そう思っていたのだ。そして彼は今日見せた。

試合前のノックが終わってスタンド前に整列した中央のメンバー。一歩前にでて応援よろしくお願いしますと帽子を取って挨拶した彼の頭は青白く剃り上げられた坊主頭だった。今時高校野球でもこれほどまでの坊主は見たことがない。

やったな・・・・

ボクはそう思った。全員がそうだったわけではない。だが、彼の近くに並んでいた5人ほどの選手がそうだった。つまり上級生の幹部クラスの選手だけがやったことなのだ。決して強制でもなく自らが進んでその選択をしたのだろう。

試合は中央のエース石田裕太郎君が先発。しかし、彼はエースとは言っても今季は1勝も挙げていない。そして1回の表にさっそく1点を先制されさらに安打を浴びた。だがライトの森下君のバックホームで2点目は阻止。そしてその裏の中央。

1死から中前君が2塁打。内野ゴロで3塁に進むと打席には森下君が立った。その森下君はライトフェンス直撃の2塁打で同点。そして北村君は左中間スタンドに放り込んだ。

3−1・・・

だがこれで安心できないのが今季の中央だ。本来なら抑え投手である西舘君は昨日先発しておりさらに打球を脚に受けている。今日はよほどのことがない限りマウンドには上がらないだろう。石田裕太郎君がどれだけ踏ん張れるか。それが勝負の分かれ目だった。

2回の表は2人の走者を出し2死2・3塁まで攻められるが内野ゴロに封じた石田君。3回は気持ちよく三者凡退に取った。ガッツポーズをしながらベンチに戻ると大いに盛り上がる中央ベンチ。そうだ、なんといっても主将が頭を丸めてまでやっているのだ。

そして3回の裏、1死から皆川君が内野安打で出ると森下君は死球。内角を突く東洋の松澤君のストレートはよけようとして背中を向けた森下君の右肩近くに直撃した。打席に倒れ込んだ森下君はその後立ち上がって1塁へと歩いた。そして打席には坊主の主将北村君がはいる。初回の打球を見た外野陣はフェンスにへばりついている。それをあざ笑うかのようにショートの頭を超す強烈なライナーでレフト前に運んだ。深い守りの外野陣のおかげで2塁走者は楽々とホームを陥れた。ここで東洋の松澤君は降板、続いてマウンドに上がった渡邉君は制球が定まらずストレートの四球で満塁となり、石井君の3塁打で走者一掃。さらに桜井君のタイムリーで中央はこの回5点を挙げた。

その後中央は4回にも2点を追加。6回の表に東洋に2点を返されたがその裏、櫻井君の犠飛で1点を返している。8回は石田裕太郎君を継投した1年生の三奈木君が不運な3塁後方にポトリと落ちる2塁打で1点を失うと水谷君の投手直撃の打球は三奈木君の右手を襲った。これで三奈木君はその後負傷降板。昨日の西舘君同様に投手直撃の打球が降板へとつながり東洋はこのチャンスを活かして4点を挙げて11−7と迫った。

だが、今日の中央の違ったところは失点した後には必ず得点していることだった。8回の裏も中央は2点を返した。そしてその回、森下君はこの日3つ目の死球を受けた。先発の松澤君から一つ。そしてリリーフした一條君からは2打席連続の死球だった。ともに変化球が抜けて当たったという死球ではない。インコースを厳しくついた150キロ超の死球だ。

さすがにこの3つ目の死球には球場から罵声が飛んだ。一條君は7回からマウンドに上がっており森下君への最初の死球も同じようなインコースを突く真っすぐが打者に当たったもので、倒れ込んだ森下君の元へは中央の清水監督はもちろん東洋の杉本監督までダッシュで駆け付けたほどのものだった。打ちに行く打者に対して内角高めに食い込んでくる威力のあるストレートだった。さらに続く北村君にはわき腹にぶつけた。先頭に安打を打たれ、送りバントと内野ゴロで2死3塁となってからの中央のドラフト候補である4番5番に対する死球だったのだ。

球審はさすがに中央ベンチの殺気を感じたのか北村君の死球の直後すぐに中央ベンチの前に走りベンチから出ないように指示した。一條君は150キロ超の真っすぐが魅力の長身の投手だ。その威力のあるボールが打者を襲ってくる。この死球の危険性を感じたからこその球審の対応だったようにも見えた。

しかし、更なるこの8回での死球だ。中央のファンからすればたまらない。大学ジャパンにも選ばれこの日も2本の2塁打を放っている森下君に3つ目の死球。そのすべてが打者がその場で倒れ込むような死球であって、変化球が抜けたものではない。

昨日の試合は中央が完敗した。だが、最終回に代打で出た桜井君は安打を放ち逆転には程遠かったが2得点に貢献した。そしてその桜井君は今日は8番で先発出場。しぶとく5打席で2打数2安打。四球や犠飛もあって3打点で勝利に貢献した。

今日の東洋も最後は反撃を見せたが、この中央の長距離砲であるドラフト候補の森下君と北村君へぶつけた4つのデッドボールの影響はどうだろう。痛くないデッドボールではない。けがをしてもおかしくなかったデッドボールだ。これが明日にどう影響するか。

中央はさらに投手の西舘君と三奈木君がともに打球直撃を受けて途中降板している。投手2人が負傷。そしてドラフト候補2名が4つもぶつけられた中央。もちろん試合の出場には問題はないだろうが、逆にこれが中央に火をつけるのかもしれない。それを演出したのは間違いなく主将の北村君であり、間違っても清水監督ではない。

清水監督は試合後「北村がチームを引っ張ってくれた」と感謝したそうだ。ボクが昨日期待した中央は北村君によって戻ってきたのかもしれない。そういえば成績不振だからといって坊主にする選手はたまには見るがそのようにする監督をボクは一度も見たことがないなあ・・・・



2022年6月21日 東都大学野球春季1部2部入替戦 第2戦(於 明治神宮野球場)
東洋
100 002 040 = 7
305 201 02x = 13
中央

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