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2022年01月10日07:12

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楕円球に夢を乗せて2021-2022〜13〜祝福

9連覇という偉業を成し遂げた歴史を持つ帝京。しかも長い歴史を持つ大学ラグビー界において初優勝からの9連覇は今思えば奇跡でしかない。しかし、今の選手たちはその栄光を知らない。現4年生が高校3年生の時に見たその栄光を引き継ぐべく入学してきたもののその後は1度も優勝をしてはいないのだ。

彼らはボクたちが思っている以上に危機感を持って臨んだシーズンだったのだろう。

明治のキックオフで始まった大学選手権の決勝。自陣からじわじわ攻め上がった帝京はゴール前のラインアウトの乱れからラッキーバウンドのボールをリカバーしそのままゴールラインに飛び込んだ。先制トライに対してコンバージョンは失敗。

明治にとってはアンラッキーな失点だったがコンバージョンは失敗してくれた。まだ気にする必要はなかった。だが、帝京は再びラインアウトから素早いパス回しで一気にトライを奪った。意外な感じがした。帝京はFWで勝負にこない。モールで押しに来るのではなく、すぐさま速いバックス展開で得点したのだ。

明治はスクラムでアーリーエンゲージのファウルを奪った時もフリーキックではなくスクラムを選択する場面があったほどだ。序盤の明治はスクラムで行けると思ったのかもしれない。だが、それは帝京の罠だったように思う。

前半の30分を過ぎると帝京は一気にスクラム勝負できた。組めばコラプシングを狙ってくる。反則を奪ってキックで挽回する。これがここから機能し始めた。フォワード戦で圧倒し明治が攻め込むと集中したディフェンスでターンオーバーを繰り返す。明治は奥まで攻め込んでも最後はボールを奪われるか、相手のプレッシャーにノックオンを繰り返した。その後3つ目のトライを奪われ、前半終了のホーンが鳴る中で明治の最後の抵抗に対してインターセプトで80メートル近く独走され4つ目のトライまで取られてしまった。

しかし4つのトライを奪われながらも帝京のコンバージョンはすべて失敗し20−0。明治は押されながらも後半に望みをつないだ。

多くの明治ファンで埋まったスタンドもまだまだ期待を持っていた。そして後半開始そうそう明治はラインアウトモールからフォワードが押し込んでトライ。TMO判定となったがトライは認められた。これから反撃開始の明治だったが、帝京はいつもなら後半20分過ぎから登場する外国人留学生のトンガタマ君は5分過ぎに投入されていた。スクラムではそのほとんどで明治の反則を誘発し、トンガタマ君はタックルされてからも5メートル近くゲインする中でフォローが次々とやってくる。後半は明治が2つのトライであったのに対して帝京は1つだけだったが、そのスコア以上に帝京のボール支配は長く、明治は完敗に見えた。

優勝した帝京の細木主将の涙ながらのインタビューが印象的だったが、帰宅途中で岩出監督が今季で引退することをボクは知った。あの涙は単なる優勝の喜びだけではなかったのだろう。早慶明や日体大、同志社など伝統校の壁は厚かった中でこれだけの強豪に仕立て上げてきた岩出監督は最後に再び優勝をつかんだ。しかも対抗戦グループでは全勝で無敗の優勝だ。帝京はまた新しいスタートラインに立ったように思う。ボクにとってこの日ほど帝京の優勝に対して心から祝福の気持ちが湧いてきたきたシーズンはこれまでなかった。



2022年1月9日 第58回全国大学ラグビー選手権 決勝(於 国立競技場)
帝京27−14明治 (帝京は4大会ぶり10回目の優勝)

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