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2022年01月03日23:27

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希望の襷〜1〜シード校の強さ

いつもならだらだらと集団で走り誰もが仕掛けたくないという1区。
六郷橋までは一部の脱落する選手を除いてほとんどが一塊。橋を渡ってからばらけるケースが多い1区。

だが、今年は違った。1区では早々に中央の吉居君が飛び出した。そしてちぎった。だが2位集団は最後まで仕掛けたくない、だらだらとしたいつもの1区だった。吉居君は区間新記録をマークした。

中央学院は1区から最初に脱落し16位に終わった。

結局この1区が結果を示していたのだとボクは改めて思う。



今年の箱根は駒澤と青山が2強。この両校は選手層が厚い。だが、それ以外はいかに流れに乗ってレースを進められるかがカギだった。

吉居君が作った流れで往路6位と頑張った中央は総合成績も6位でシード権を獲得。一時3位まで上がったためファンからすれば欲も出ただろうが、流れをつかむことがいかに大事かということを最も示したチームだ。

5千メートルや1万メートルの記録を基準に盛んにチームの戦力分析がなされるが、あくまでもそれはよーいドンでスタートして時計だ。駅伝でよーいドンでスタートするのは1区だけ。想定より何秒もあるいは何分も遅れてスタートすることによる選手の精神的な負担や大きくリードしてタスキを受け取る選手の余裕は大きなプラスマイナス要素だ。

駅伝で大きな想定外が起こるのはそういう要素だ。だからこそ有利不利のない一斉スタートの1区こそが大事なのだ。ここがハンデなしのガチ勝負だからだ。そこにかけてうまくいったチームが有利になるのは言うまでもない。そしてそのとき発生した不利を挽回できるチームは本当に力のあるチームである。

今年の箱根でその流れを有利につかんだチームは中央であり帝京だ。その流れを完全につかまなくとも実力で圧倒したのが青山。そして本来なら1区三浦君で勝負をかけると思われた順大は三浦君を2区に回して1区18位、そして2区の三浦君も11位で2区を終わって17位だった順大は地力で順位を押し上げた。

ハーフマラソンのチーム平均時計が圧倒的に1位だった順大は最終順位を2位に押し上げた。逆にハーフの時計が5位で63分切りの選手を5人も抱えていた明治は往路17位と低迷。しかし総合成績は14位まで上げた明治は目立たないながらも復路は3位での挽回だったのだ。

力があってそれを出し切れたチームと出せなかったチーム。駅伝はただの足し算ではない。さらに野球のフォーシームボールやサッカーのオフサイドトラップ、ラグビーのオフロードパスなどのように目の肥えた人にしかわからない細かな技術はない。ただ走るだけという単純な競技だけにほんの些細な流れの違いが大きな差となる。逆にそれが面白い。

なぜならそれが一番人間らしいからだ。スポーツの面白さは人間の面白さにほかならない。

シード権の入れ替わりは早稲田と中央という1組だけだった今年の箱根駅伝。1万メートルの時計という数字などは関係がない。どうやれば優勝できるか、あるいはどうやればシードを取れるか、そのために選手たちが気持ちよく走れる選手配置はどうか。どうやれば流れをつかめるか・・・・

シードチームがどれだけ強いのかを今年ほど感じた年はここ近年はなかった。



2022年1月3日 第98回東京箱根間大学駅伝競走
青山学院大学 10時間43分42秒(歴代新)

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