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2021年04月11日21:29

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神宮スズメの独り言2021春〜7〜決着

昨日はノーヒットワンランという記録を法政三浦君に献上し開幕戦を落とした慶應。この日も初回、2回と三者凡退に倒れた。これで開幕11イニング無安打となった慶應。長い東京六大学野球の歴史の中でもこのような記録を残しているのだろうか。もちろん調べればわかるのだろうが、少なくとも開幕戦で無安打試合をやられなければ10イニング以上にはならない。もしこれまで開幕戦で無安打試合がなかったとすればこの慶應の開幕以来11イニング無安打というのは間違いなく新記録樹立である。

もう一度確認するが開幕以来の連続イニング無得点ではない。無安打だ。

だが、ボクが11イニングと書いた以上は開幕12イニング目に慶應は初安打を放つということでもある。そう、慶應の開幕12イニング目、つまり今日の試合の3回の裏だ。昨日は3番を打ち今日は7番に降格されていた橋本典之君は先頭打者として詰まりながらもセンター前に落とした。

法政の先発は木更津総合出身の4年生山下輝君。長身のサウスポーだ。彼の高校時代の一期先輩が早稲田から楽天入りした今年のルーキー早川。この早川がいた時の木更津総合は春夏ともに甲子園でベスト8入りしたが、その時2年生の山下君は1塁手として出場している。断っておくが投手兼1塁手ではない。純粋な1塁手で5番打者だった。

山下輝君が投手として練習を始めたのは2年生の甲子園が終わってから。早川から投球術を教わったと聞く。そして3年生となった夏も甲子園に行くが、初戦で9回に連打を浴びて逆転負けという結果に終わった。

彼も早川の後を追って早稲田に行くかと思われたが法政に進学。188センチの高さから投げ下ろすストレートは150キロを超える。今日も148キロを出し慶應の打者のバットに合わない。初回は2三振を奪っての上々の立ち上がりだった。

だが、橋本典之君の安打によって慶應は呪縛から解けた。8番の福井君は次打者が慶應先発の増居君であったため強硬策で凡退。そして増居君はバントを決め2死2塁。ここで広瀬君は四球を選ぶ。これも微妙だった。よく見たというよりは手が出なかったがボール判定となったという感じだ。それでも2死1・2塁で打席には渡部遼人君。1年生の春から出場している彼はミートに重点を置いてレフトに流し打った。突っ込んでくる左翼手はほんの少し手前でバウンドした打球若干そらして2塁打となり、橋本典之君が生還した。

慶應は今季初安打で出塁した走者が今季2本目の安打でこの試合の先制のホームを踏んだ。

慶應は4回の裏、先頭の正木君が左中間の深いスタンドに叩き込んで2−0とすると続く下山君も安打で出塁。盗塁と犠打で1死3塁とすると2死後福井君のタイムリーでさらに1点を追加して3−0とした。慶應は正木君の本塁打だけに終わらなかったところがいい。慶應らしいしぶとさが出始めた。

慶應の増居君は走者を出しながらも要所で三振を取り、6回の表には先頭の斎藤君にソロ本塁打を浴びたが、その裏慶應も法政のエラーで1点を追加し、8回には正木君が3球三振の後、下山君が本塁打。その後も連打でチャンスを作るとパスボールで1点、さらに広瀬君の2塁打でも加点し7−1とした。

試合はそのまま終了。慶應は1勝1敗のタイに戻した。普通なら明日3回戦が行われる。大学野球は2勝したほうが勝ち点1。それが基本だ。だが昨年の秋から2試合制での勝ち点制だ。1勝すれば勝ち点は1。引き分けなら0.5である。

本当ならノーヒットワンランを成し遂げた三浦君と自身は無失点ながら敗れた森田君。この両エースの再対決で雌雄を決するのが大学野球のだいご味である。

だが、それは今年はない。試合の中身は大事だ。完全試合で勝つ試合もあれば、相手エラーによるさよなら勝ちという試合もある。それでも2勝したほうが勝ち。それで決着をつけるのが大学野球だった。

野球はタイムアップスポーツではない。決着がつくまでなら延長戦が何回になろうがやり続けるのが野球だ。だが、それには限度があるため引き分け再試合や得点が入りやすいタイブレーク制度などが考案されてきた。

今日の法政はどういう気分だっただろうか。昨日は完勝した。テストで言えばノーヒットに抑えたが1失点したから98点。今日の慶應の勝利はテストで言えば何点?98点はないでしょ。

それでも1勝1敗だから本当はもう一度やるんだよね。2連勝でも2勝1敗でも勝ち点1は同じ価値だ。その勝ち点制に異議を唱える人もいるが2勝したほうが勝ちというルールの下で行われている以上そこは譲れない論理である。

昨年の対慶應戦は勝ったのかと聞かれれば勝ったか負けたしかない。2連勝で勝ちました、あるいは2勝1敗で勝ちましたという2通りがあっても勝ったかどうかはそれで決まる。だが間違っても引き分けでしたということはありえない。日本シリーズでどっちが勝ちましたかと聞かれれば4連勝で勝とうが4勝3敗で勝とうがどうでもいいのだ。勝ったか負けたかをはっきりさせることが重要であって要は決着をつけるかどうかだ。というよりは決着をつけるためにやっているのだから。

この開幕カードとなった法政対慶應は決着がついていない。しかもそれなりに両試合とも意義のある試合だった。5月の末になって優勝争いが激烈となるなかで、この1勝1敗による両校のポイント1がどういう意味を持つのか。微妙に絡んでくるような気がする。



2021年4月11日 東京六大学野球春季リーグ戦 第1節2回戦(於 明治神宮野球場)
法政
000 001 000 = 1
001 201 00x = 7
慶應義塾

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