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2020年05月31日17:23

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コロナに負けるな〜5〜スタンドの向こうに

国歌斉唱に紹介された平原綾香はコースに向かって礼をした後、振り返ってスタンドにも頭を下げた。もちろんスタンドには誰もいない。本来なら歌い手の名がアナウンスされれば10万人近い観衆から大きな拍手と大歓声沸き起こったはずだ。

彼女は君が代を歌い終えた後も同様にコースとスタンドに頭を下げた。

レースはいいスタートを切った1番人気のコントレイルが激しいレース展開に慌てることもなく流れに乗って直線に向けば後続と並ぶことなく圧勝した。2着には皐月賞2着馬のサリオスが入った。

レースを終えたコントレイルの福永騎手は正面スタンド前に帰って来ると誰もいないスタンドに向かってヘルメットを取って馬上礼をした。誰もいないのにテレビ音声からは少しだけ拍手が聞こえた。おそらく数少ない馬場関係者と報道の人達が精一杯の拍手を送ったのだろう。

ある意味この部分に感動した。スタンドの向こうには多くのファンがいる。彼らはそのファンに向かって仕事をしていた。多分ゲートを担当する人たちも馬場造園関係者もだ。スターターも報道関係者もだ。

コロナ問題はある意味その人間力があからさまになる機会でもある。思い通りにいかないストレスから過度な誹謗中傷に走る人も増えたように思える。人間力が問われている。

スポーツは希望を与えるとよく言われる。だがボクは思う。それは映えある勝者が直接には見えない応援者と共に喜びを分かち合うこと、そして絶望を味わった敗者に応援者が寄り添うことのふたつからなる。

それが希望だ。無人のスタンドに頭を下げた平原綾香と福永裕一。それはダミアン・レーンや武豊も同じだっただろう。ディープインパクト以来の無敗のダービー馬はディープインパクトの仔によって成し遂げられた。オークスも無敗のデアリングタクトだった。

しかしスターホースの誕生と共に先週鞭を置いた騎手がいる。中谷雄太騎手。温情による騎乗依頼も嫌ったようで、ダービーを前にスタンドで挨拶することなく現役引退。

無人のスタンドに挨拶する人、無人のスタンドに挨拶すら出来ない人。

皐月賞に続いてのコントレイルにサリオス。ダービー初騎乗の坂井瑠星に津村明秀。

こういうときだからこそいろいろな立場の人に心を傾けたいと思う。
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