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2020年01月29日00:38

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鹿島アントラーズ2020〜1〜素晴らしき敗戦

2019年度シーズンを最後まで戦っていたのは天皇杯で優勝した神戸と敗れた鹿島。この鹿島の敗戦は失ったタイトル以上に大きなものがあった。それはオフだ。

元旦に敗れたことで落とした天皇杯のタイトル。それによってプレーオフからの参加となったアジアチャンピオンズリーグ。それが今日の公式戦だった。

プロ野球は間もなくキャンプインだと大騒ぎしている。日本シリーズを戦いサムライジャパンに参加した選手であっても丸々2ヶ月はドフリー。海外旅行にゴルフを散々楽しんだうえでやっとこれからキャンプイン。そして7週間のキャンプにオープン戦を経て3月末に開幕。

鹿島は1月2日からの10日前後のオフに2週間のキャンプか? 競技が違うというだけじゃない。同じJのチームでも格差が大きすぎる。

もし鹿島が天皇杯を制していれば本戦からの出場で今日の試合はない。鹿島と同様今日のプレーオフからの出場となった東京は天皇杯は8月にJ2のチームに敗れており、J終了後はたっぷりオフがあった。

だがそれでも勝つのが鹿島の宿命である。それを信じた鹿島ファンはどしゃ降りの鹿島スタジアムにやって来た。大雪になるとテレビは大騒ぎしたものの、そうはならなかったがそれでも寒いうえに大雨。

ボクは紺のセーターの上に2000年の鹿島のユニフォームを着ていた。さすがに寒いので黒の薄手のダウンに青いウインドブレーカーを着ていた。鹿島のゴール裏のサポーター席だ。

雨を避けるため最上段にいたが、それでも青いウインドブレーカーになんだこいつはという白い目が降り注ぐ。ただあまりにも寒かっただけだったのだ。選手が入ってくるとボクはウインドブレーカーとダウンを脱いだ。

ボクが前の会社を辞めて千葉県に住み始めた2000年に鹿島は三冠を取った。その年のユニフォームだ。

いやあ、懐かしいよ、そのユニフォーム。

古いファンが声をかけてきた。今はもう存在しないTOSTEMの文字を珍しそうに診る若いファン。一気にその距離は縮まった。だが試合は思い取りには進まない。

前半は探りあいだったが、後半に入るとメルボルンは一気に仕掛けてきた。プレスが早く鹿島のパスが通らない。守備が整わない状況で左サイドからフリーになったナバウトに決められた。いつもよりは少ないながらも精いっぱいの声を上げていた鹿島サポーターが静まりかえった。

だがそこから鹿島は猛攻を仕掛ける。サイドから何度もいいクロスが上がった。しかしシュートはことごとく阻まれた。サポーター席の前で何度もメルボルンは体を張ったのだ。

鹿島のシュートにメルボルンの選手はそのコースを塞ぐべく体を投げ出した。シュートコースが変わってもオウンゴールとはならず逆になぜかGKの正面にいった。ナバウトのシュートが鹿島のDF奈良に当たってゴールネットを揺らしたのとは対照的たった。

ロスタイムとして示された3分間も鹿島は攻め続けたが、強い雨が降りしきる中で試合終了のホイッスルがなった。

スタジアムは静かになった。大雨で帰宅を急ぐ人もいる。最後まで見届ける人もいる。2020年最初の公式戦で鹿島は早くもACLという一つのタイトルを失った。しかしそれは2019年最後のタイトルをかけて戦った天皇杯から27日後に失った2020年最初のタイトルだ。

すべてのタイトルを取るのが王者だ。そして鹿島はこれまで王者たる戦いぶりをずっと見せてきた。今日も敗れはしたが今できる限りの戦いぶりは見せてくれたと思う。だから今日の試合にブーイングをする鹿島サポーターはいないと思った。この過密日程。更に監督交代。相手はシーズン真っ只中のオーストラリアリーグの強豪チーム。

試合が終わって挨拶にきた選手を鹿島サポーターは静かに迎えた。ブーイングはほとんどきこえなかった。そしてみんなが拍手をしていた。

サポーターは誰一人満足はしていない。悔しくてたまらない。だが誰も絶望はしてはいない。ACLはなくなった。だからこそ国内タイトルは全部いただく。

鹿島サポーターとしてそんな結束を感じた素晴らしき敗戦だったと思う。



2020年1月28日 アジアチャンピオンズリーグPO
メルボルンV1-0鹿島
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