mixiユーザー(id:2391655)

2019年12月15日17:28

153 view

One Team

11日に行われたラグビー日本代表のパレードを見に行った。たまたま14時という早い時間から新宿で飲み会があったため、その前にちょっと立ち寄ってみたという感じだった。

当然丸の内仲通りの沿道は満員。ボクは仕方なく二重橋スクエアの交差点に行って横断歩道越しに見ることにした。当然車の上に乗って手を振ってくれるものだと思っていたのだ。

遠くから歓声が上がる。「リーチー!!」というあまり黄色くないおばさんの声が聞こえた。二重橋スクエアの2階にあるレストランで食事をしている人たちもみんな窓際に押し寄せている。

だが、いよいよ来るのかと思って見ていたがさっぱり姿が見えない。そうだ。みんな普通にスーツ姿で道路を歩いているだけだったのだ。誰が歩いているかも分からない。信号待ちをしている車と車の間からカメラクルーと並んで歩いている選手と思しき姿の写真だけは取ったが、いったいそれが誰だったのかすらわからなかった。

しかし、それは仕方がない。運が良ければというくらいの気持ちで立ち寄っただけなのだから。

それよりもこの大観衆はすごい。One Team は今年の流行語大賞だ。このラグビー日本代表が日本国民に与えた勇気はものすごく大きいと思う。だが、このOne Teamという言葉は単なる流行語ではない。「ワイルドだろ〜」とか「じぇじぇじぇ」、「そだね〜」などとは一線を画す。ラグビーの世界には古くからノーサイドの精神とかOne for All All for One という言葉が生き続けているが、犠牲的精神や相手を尊敬する心などそのスポーツの特質から生まれた言葉は単にその年に流行ったという軽いものではないからだ。

イングランド大会が終わった後すぐにヘッドコーチの後任人事が決まらず、その後誕生したジェイミー・ジョセフによる代表チームはスムーズにスタートを切れなかったと聞く。何度も選手とぶつかりあってコミュニケーションに努力した結果生まれたのがOne Team という言葉だった。ものすごい葛藤があり意見のぶつかり合いもあったはずだ。


そもそもすべてがOne Teamであるべきである。甲子園で優勝を狙うチームであろうと町内のゲートボール大会で悲願の1勝を目指すお年寄りのチームであろうと・・・

それは企業経営にも当てはまる。給料泥棒と言われる不振の営業部も会社の経費をかけながらなかなかうまくいかない商品開発部も、みんなが真剣に取り組んで激論を交わしながら努力しているのであればそれはOne Team に成り得る。実際にすぐに結果が伴わなくともその努力が無駄になることはない。

今回のラグビー日本代表も目標としていたプール戦突破を果たしベスト8に輝いたからこそその言葉が注目され流行語大賞にも選ばれたが、もしプール戦敗退という結果だったらどうだろう。彼らはジェイミー・ジョセフHCを招いてからOne Teamの言葉の下に意見が食い違いぶつかり合いながらも最大限の努力をしてきた事実は変わらない。

そんななかで生まれたOne Teamは異を唱える者を徹底的に排除し、自分を礼賛してくれるお友達だけで固めたチームなどではもちろんなく、ましてや朝礼で「みんなOne Team となって頑張りましょう」などと能力がない上司が言いそうなあまりにも浅はかな言葉でもない。

この言葉を堂々と口にできる人はそんなに多くはないはずだ。自宅に戻ってからテレビのニュースで見たがこのパレードで田中選手はずっと泣いていた。もちろん歓声に笑顔で答える選手たちもいたし稲垣選手は相変わらず笑ってはいなかったが、それぞれの選手たちにとってはこの4年間の努力が蘇ったのだと思う。試合中は当然夢中でありこれまでの苦労などを思い出している暇はないだろうが、こうやってパレードをして初めてこれまでの苦労やサポートしてくれた控え選手、コーチやスタッフの陰の努力、そして応援してくれた日本国民への感謝などが走馬灯のごとく巡ったのではないだろうか。

One Teamはシンプルでありながらもとても重みのある言葉だ。東京五輪の前の年に行われたラグビーワールドカップ。

2019年の流行語大賞は「One Team」。

昨年の流行語大賞は何だったかも簡単には思い出せないが、この言葉は2019年の日本代表の素晴らしい躍進とともに永遠に語り継がれるだろう。

2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年12月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031