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2019年02月15日23:38

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金シャチ競馬

不幸があって愛知県の半田で行われた告別式に参列した。

ボクが大学を出て入社した保険会社で最初に転勤を命ぜられ赴任したのが東海市の営業所だった。中心となる駅は名鉄の太田川。

駅を出て駅沿いの通りに営業所があった。だが、告別式に向かう途中の通過した太田川駅は高架駅になっていた。帰りに途中下車した。

昔の面影はまったくなかった。ここにあったはずの営業所やラーメン屋がなくなっていたなんてもんじゃない。

ここにあったどころじゃなかった。あのラーメン屋がマンションになっていたというならまだいい。だが、その営業所やラーメン屋があったその道そのものがない。その裏の道も民家もすべてなくなっていた。焼け野原になったところに一から整備してマンションや大型店舗を作ったような感じだ。かつての名残などそのかけらすらなかったのだ。

だが、電車から見えたボクが車で通った道や南加木屋とか阿久比の駅からの風景はまだ35年前の趣を少しだけ残していた。救われたような思いだった。

一泊して今日は帰るだけだ。横井太いスパゲッティにあんかけソース、寿がきやのインスタントラーメン、山本屋の味噌煮込みうどんにイチビキの味噌ソースなどの名古屋メシをスーパーで買って宅急便で送った。名古屋駅のお土産屋なんて目じゃない。名古屋メシは名古屋市民のためのスーパーで買うに限る。

しかし、まだ11時だ。いつものスポニチを買ってタリーズでお茶を飲んいでると気がついた。名古屋競馬・・・

今週の中央競馬では今年初のG1、フェブラリーSが行われる。そのなかで注目は藤田菜七子騎手だ。毎日のようにスポーツ紙で報じられる。そして名古屋と言えば木之前葵騎手、宮下瞳騎手。

宮下騎手が引退し売り上げもどん底。廃止すら検討された名古屋競馬を救ったのは木之前騎手だったのかもしれない。

競馬の存続はレベルではない。売り上げだ。もちろんレベルが高ければ売り上げも上がるから連動していないわけではないが、しかしそのレベルを補って余りある売り上げに貢献したのが木之前騎手だった。

初めて乗ったあおなみ線。名古屋港への貨物線を民営化したのが明らかな電車で名古屋競馬場前という駅で降りた。15分おきに走るこの電車よりもディーゼル機関車が引く貨物列車のほうが数が多いようだ。

駅を降りると多くに人が競馬場に向かうのかと思いきやそのほとんどが入国管理局へと入って行った。そのまま真っすぐ行くと右手に競馬場が見えてきた。福島競馬場のような雰囲気だ。

100円を改札口に入れると中に入れる。レース実況が聞こえてきた。4Rがちょうど発送したところだった。ボクの目的は第5レース。木之前騎手も宮下騎手も騎乗する。最終までレースを見る時間はない。

パドックには10人くらいの人がいる。「パドックなんて観る意味ない。みんな八百長だ」と喚いているおっちゃんがいる。カメラを構えた若いお兄さんもいた。

騎乗合図がかかって中央のファンにもお馴染みのハートマークの勝負服を着た木之前騎手がボクの前にやって来た。ウイニング競馬などに出演するような笑顔ではない。ゲストでテレビに出ている彼女の顔ではもちろんないのだ。

そうだ、彼女はテレビで中央競馬の予想しているゲストではない。まさにこれから出走するジョッキーであり、勝負師の顔である。

しかし、木之前騎手の馬は10頭立ての6番人気。ゲート入りを嫌って時間を要した。そしてスタートすると後方2番手からレースを進め、結局は7着に敗れた。宮下瞳騎手の馬は4着と健闘したがその差は大きかった。

結局、単勝も馬連も馬単も1番人気だった。木之前騎手から馬券を買っていたボクはまったくかすりもしなかった。

でも・・・

いいなあ・・・

この雰囲気・・・・

このレースの1着賞金は23万円。中央なら未勝利戦でも500万だ。でも競馬は賭け事。そのレースの勝ち時計や賞金額などは関係がない。どの馬が勝つか、どの馬が2着かを当てればいいのであって、ダートの千四を1分25秒で走るか1分31秒を超すかを当てる必要はない。

のんびりとした空気の仲にも馬券が外れてクダを巻いているオヤジもいる。どこも同じだ。中央も地方も・・・・

勝ちたいジョッキーの気持ちも勝たせたい厩舎関係者の思いも、そして馬券を的中させたいファンもみんな同じだ。

違うのはただ、賞金額と走り抜ける時計だけである。


2019年2月15日 名古屋競馬 第4レース C4組
アーキドレーブ(村上 弘樹)

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