家庭ではどう考えても
「きちんと丁寧に石鹸で手洗い」
「普通の水拭きでよいから念入りにやる」
まででいいはずなんだが、いつの間にか
「明確な除染力をもつ液体でなくてはならぬ」
にすり替わってしまった。
自分が『 能動的 』にウイルスを攻撃できる、というシチュエーションがいいんだろうなあ。
たしかにやって悪いわけはない。やればやるほどウイルスはより減るだろう。
でも(アルコールのそれはひとまず置いて)、次亜塩素酸水ってあんまり人体に近づけたくないブツなんですけどね。そこは考えてもらえないみたい。
ちょうど東日本大震災の原子炉事故当時に似てる。
「福島産の食品さえ避ければ」という誤解が生まれて(今も言う人はいるけどさ…)、店頭で福島産のものを選ばない人がいたわけだ。
選んで避ける、という『 能動的 』なアクションがしたかったんだろう。
………危機が迫っている。それはひたひたとわが身の側まで近づいてきている。
………しかし『 私の 』『 能動的 』なアクションにより、それを撃退できる。
どうもそういうストーリーを、人間はこうした事態の際には求めたがるもののようだ。
バランスよく食べ、バランスよく運動すれば痩せられるが、それを選ばず「これさえあれば」の話題のフルーツだかなんだかに群がるのと同じ。
今はコロナに対して、アルコールや次亜塩素酸水がそうしたポジションに収まってしまったんだろう。
「そーじゃなくってえ、ちゃんと手洗いとかふき掃除すればですね」では聞いてもらえないのを、もう行政も判りきってしまったようで、だからこうして市販の洗剤にお墨付きをあたえてる。
人々が自分で生み出したストーリーは消せないけど、それを上書きする方を選んだんだよな。
ま、それはそれで良手じゃないかとは思うよ。
使えばそのとき「ちゃんとふき掃除をする」わけだから。
ある種の「善良なトリック」ですな。
いいと思うよ。
アルコール消毒液、何で代用?
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=6108122
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