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2019年11月21日12:32

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なぜ日本だけ妙に流行ったか?

本来なら、日本人が本質的に好むのは「甘くて、果実味のある酒」のはずなんだよな。

日本に持ち込まれた、完全な外国産ワインがあまりにも口に合わなかったので、例によって日本ならではの魔改造が行われる。「赤玉ポートワイン」の事だ。
ずっとそれが続いて、その後で有名なのは「マテウスロゼ」。これはほどよく甘くて、しかもピンク色なので非常なブームを起こした。
さらに後になると、桃のリキュール「ビーチツリー」がブームをおこす。今でも缶入りのソーダ割が買えるはずだよ。

コメディアンの古川ロッパ(1903〜1961)の著書「悲食記」によれば、1930年頃の人々は洋食を楽しんでいたが、アルコールに弱い人もいた。しかし洋食にはワインが付き物。で、清涼飲料水で代用して食べていたそうだ。
当時の清涼飲料水の代表と言えばサイダー。そう、語源の通り「ヨーロッパの、リンゴで作った甘いスパークリングワイン」から着想された、お馴染みのアレだ。


てなわけで、ほんとは「赤くて、甘くない」ワインが一般にブームを起こすとは思えないんだが、そこは30年前の日本である。
どこの町にもある軽食屋を銀座の一等地に持ってきて「アメリカの最新流行の店です!」とやってマクドナルドが成功したように、同じ仕掛けが行われてボジョレーヌーヴォーはヒットしてしまった。
その当時の、岡本太郎はじめ著名人があれこれ寄せ書きしたムックを読んだことがあるよ。まんまあの頃の「乗り遅れちゃあいけねえよう」のノリな、軽い本だったけどね。

でもまあ、なんだかんだで受けてしまい、それによって「甘くないワイン」が浸透する手助けにはなったんだろうな。

ただ浸透したがために、今では客の口が肥えてしまったのかも知れない。
売り文句だったアレは、本来の「出来立ての新鮮さ」とはかけ離れたものだと気づかれてしまったから、わかる人は自分の好みのワインに手を出すようになる。
これだと、売る方は苦しくなるよねえ。プロが「100年に1度の」「ビロードのようななめらかな」とかなんとか言ってても、買う方が「は?」になっちゃってるんだから。
気の毒なのは、その域には行かないライト層にまで情報が行き渡ってしまったことで、これはネットの影響が大きい。こちらもやはり、プロが何を言っても「嘘をつけー!」にされちゃう。

もはや既存の手法は無理と知り、プロたちは新しい手法を模索し始める。
一昨年はインスタ映えとの連動を目論んでこんなことをしてた。
https://www.kirin.co.jp/company/news/2017/0929_03.html
これはまるっきり不発に終わり、いま見てきたらサイトも消えてた。



復活しますかね?
ちと無理っぽいんだけど。





■令和初のボージョレ解禁=大容量、手頃な価格など多様
(時事通信社 - 11月21日 09:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5872490
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