小僧が帰ってきた

これも心の機微を書きにくいので日本語で。

12/7は小僧がいわゆるニュージーランド留学から帰ってくる日で、3週間程前から心の準備が必要だった。
一度GWにSNS騒動で戻ってきているが、5/22ごろ再出発してからも、6ヶ月以上経っている。
実際NZにいたのは10月末までで、その後シンガポールにオーストラリア/NZ組は集結し、マレーシアやフィリピンのセブ島などに移動しながら、地元の学校とイベントをやったり、ショッピングモールで日本イベントを主催したり、ILETSの勉強合宿などを経て、その間ほとんどその地元でホームステーしながら帰ってくる。

背は伸びたのかな、日焼けしてんのかな、どんな感じになっているのか想像しつつ、おれは小僧の部屋に夏からいたのだが、狭い家にもう一人戻るとどんな感じになるのか窮屈に戻るのかなど、とりとめもつかないことが頭の中をぐるぐるする。
夫婦とも、学校や将来のことはもうなにも言えることはないねで一致していた。
彼の腹の中の種は、彼の力で、彼の環境でSprout outするもので、それに影響を与えるようなことはしたくない。
ある意味、もう一人の自分の成長を、せめて日が当たるように調整してだけしてやって、どんなになるのか見てみたいという期待の方が強かった。
種はいつ開くか、誰にも分からない。

当日は、寒い霧雨だったが、6時に出発する。
ここから成田なら1時間以内だろうし、飛行機は7:30に到着だそうな。
ただ、西から東に来る飛行機はたいてい早いので、少し早くなるような気もしていた。

そういえばどこで待ち合わせなんだっけ？
あ、出発の時の場所か。
今日はカナダ組はまだ到着しない。明日のようだ。
半分の75人ぐらいが戻るのか？

待ち合わせ場所に着くと、ほとんど人がおらず、少し悩む。
駐機場を見ている6.7人のグループがいるが、この人たちかな。
しばし待っていると続々とおやごさんが集まってきてワーだのきゃーだの、幼稚園のママさんたちみたいな感じになっている。
なんで群れるのかね・・・面倒くさく感じないのかね。
7:50を過ぎているのに戻ってくる様子がないのでしばしぶらぶらする。
アレッ、7:10に到着してんじゃんよ・・・これはあれか、ゲートを出る前にまた先生の話でもやってんのかな。

女房と二人で椅子に座って、戻ってくるとおぼしきところを眺めていると、先生たちが来てたって待ち始めたので場所は間違っていないようだ、少し安心。

心の準備もできないうちに徐々に子供たちが戻ってきて「あっ」思う。
3/5ぐらいが女子なのだが、女子が徐々に戻ってきてお母さんと抱き合ったり泣きそうになっている子もちらほら。
うんうんがんばったんだね。ってことはチミはSNS騒動で戻らなかった子かな。
小僧はいつまで経っても戻ってこない。
あり？？

女子ばかり大勢戻ってきた後でようやく男達が違う道から来た。
しばし見ていると、友達たちと話ながら大きなスーツケースを猫背で押しながらキョロキョロする小僧を見つける。
「おーい、はるきー」
「あ」
お互い手を上げてハイタッチし、
「おつかれ」
「やっと戻ったよ」
そのまま集合場所へ集結する。

11ヶ月の旅を、成し遂げて戻ってきた彼らに言う言葉は先生たちにもないようで、やさしげな声かけと、3日の休みの後で投稿する手順を説明すると、早々に解散となった。
解散前に集合写真を撮る。

出発前の緊張した集合写真を覚えている。
現地でがんばって来いよと心の中で強く祈っていたあのころが、夢でも見ていたかのようだ。
産まれた巣を飛び立っていった子鳥が、見えなくなるまで、あのとき見守っていた。
もはや祈ることしかできなかったが、またずーーーーっと見えない向こうから、よく元の巣まで飛んで戻ってきたものだ。

前にも書いたが、どんなに言語が流ちょうでも本当に現地にローカライズするのは難しい。海外だとおれは差別や悪口もあまり気にしないが、気にして心がつぶれてしまう人もいるだろう。言葉が一向に何言ってるか聞き取れない人も多いだろうし、そもそも今日の宿題って何言ってたの？ということも少なくなかったと想像する。

よくがんばりました。
君は子供卒業です。
もちろん社会常識やマナーなど、親の出番はあるだろうが、君の教習簿に終了印を押すよ。
生まれてすぐ危篤になって呼吸停止して1ヶ月も保育期から出られなかった、ついでに言うと切迫流産で母が寝たきりになったこともあったけど、誰にとっても難しい課題をクリアし、これほど誇らしい人になるとは想像もしなかったよ。

三人で写真を撮り、帰ろうとすると、後ろから「はるきー写真！」と女子が数人よってくる。
その後帰ってきて5日経つが、今日女房から、そのうちのだれかとこいつが付き合っていると言うことを聞いた。
おい！
モテ期も到来なのか？！
うらやましいじゃないか！

高校進学の時にこのコースを進めた俺たちのおかげもないか？！