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2020年05月28日20:06

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伊万里 染付花陽刻是武字文輪花形皿

 昨日、古伊万里の染付文字文皿を紹介したところですが、その後、そう言えば、我が家には、もう1点、古伊万里の文字文皿そのものではないですが、見込み周辺に、文字を陽刻してある皿があることを思い出しました。

 それで、今回は、昨日紹介した文字文皿との関連で、その皿を紹介することにしました。

 その皿は、次のようなものです。

 見込みには花文が描かれ、その周辺には、「是」や「武」という文字が陽刻されています。



写真1: 伊万里 染付花陽刻是武字文輪花形皿 表面



 ただ、よくよく見てみますと、1行上での文章では、「是」や「武」という文字が陽刻されていると書きましたが、どうやら、「是」や「武」という漢字ではないように思われます。

 4種類の漢字のようなものが陽刻されているわけですが、「是」のみははっきりと「是」という漢字に思えますが、あとの3種類は、何という漢字なのか分かりません。

 見込み周辺全体では、4種類の漢字のようなものが2個ずつ陽刻され、合計8個陽刻されています。

  その内の1種類目は、次のような陽刻です。「武」のようにも思われますが、はっきりしません(-_-;)


      (1酒類目の写真省略)


 2種類目は、次のような陽刻です。「長」のようにも思えますが、はっきりしませんね。


      (2種類目の写真省略)


 3種類目の陽刻は、これは、「是」であろうと思われます(^-^;



写真2: 3種類目の写真



 4種類目の陽刻も、これまた、何というものなのか分かりません(-_-;)


     (4種類目の写真省略)



 以上に見てきましたように、よくよくみますと、4種類は微妙に違っているんですよね(-_-;)

 最初は、全部、同じかと思ったんですが、アップして写真を撮る毎に違うことに気付き、4種類もあることを気付くまでには時間がかかりました(-_-;)



 それはともかく、裏面は次のようになっています。


写真3: 伊万里 染付花陽刻是武字文輪花形皿 裏面


 この皿の裏面には、昨日紹介した伊万里 染付是字文小皿とは違い、古格があり、江戸寛文期の特徴を感じとることができます。



製作年代・・・江戸時代前期

サ イ ズ・・・口径:21.8cm  高台径:13.0cm




 ところで、この皿についての紹介は以上の通りとさせていただきますが、この皿については、以前、今では既に閉鎖してしまっている拙ホームページの「古伊万里への誘い」でも紹介していますので、ここで、その紹介文を再度掲載したいと思います。






<「古伊万里への誘い」での紹介文・・・その1>


*古伊万里バカ日誌143 : 古伊万里との対話(染付陽刻文の皿)

                      (平成28年2月筆)


登場人物
  主 人 (田舎の平凡なご隠居さん)
  陽 刻 (伊万里染付 花 陽刻是武字文輪花皿)


・・・・・プロローグ・・・・・

 どうやら寒さも峠を越えた感があり、三寒四温の日々が続いている。
 主人は、押入れから一枚の皿を引っ張り出し、廊下の陽だまりに座り、日向ぼっこをしながらその皿との対話を始めた。

 

主人: だいぶ寒さも緩んできたな〜。今日は、ゆっくりと、日向ぼっこをしながら四方山話をしよう。

陽刻: そうですね。いくらか暖かくなってきたところで、日向ぼっこをしながら四方山話をするのもいいですね。
 廊下の陽だまりで、古伊万里を片手に、古伊万里に話しかけている光景は、いかにも、田舎の平凡なご隠居さんが骨董をいじっているという光景で、平和でのどかな光景ですね。

主人: そうだよね。平凡ながら、のどかで平和なのが一番だね。
 ところで、まずは、お前を手に入れた経緯あたりから話そうかね。

陽刻: どのような経緯で私を手に入れたんですか?

主人: あれは、5年程前だったかな。市主催の「歴史探訪講座・移動学習」というものがあり、それに申し込んで行ってきたんだ。その際、お前を手に入れたんだ。
 それは、「明治大学博物館」という所で、市内にある「玉里舟塚古墳」という遺跡から出土したものがその時特別展示されているというので、それを見てこようというものだったんだ。「明治大学博物館」というのは、東京の神田にあり、明治大学の校舎ビルの地下にあった。そこまでは市のバスで行ってきたんだ。
 もっとも、お前を手に入れたのはそこではないよ。「明治大学博物館」での勉強は午前中で終り、昼食は浅草で食べることになっていて、浅草まではバスで移動した。昼食後2時間程自由時間となったので、私は、今度は、午前中は「歴史探訪」であったが、午後は「「古伊万里探訪」とすべく、一人で浅草寺界隈の骨董店を巡ることにした。そこでお前に巡り会い入手したんだ。

陽刻: ご主人は浅草の骨董店にはよく行かれるんですか?

主人: めったに行かないね。もっとも、そもそも、ここ10年くらいは、東京の骨董店そのものにも、めったに行かなくなったけれどね。

陽刻: めったに行ったこともない骨董店で私と巡り会ったんですね。それもなにかのお導きでしょうか。

主人: そうかもしれないね。「縁」があったんだね。浅草寺さんのお導きかね。
 ところで、お前のように、周辺の「是」という文字と「武」という文字が陽刻になっていて、薄く、シャープな造りの染付は、典型的な藍九谷とされていて高額だったんだ。それが、その時に持っていた小遣いの範囲内で買えるような低額になっていたんだよ。もっとも、見ての通り、かなりの疵物だったからでもあるけどね。

陽刻: どうして酷い疵の物を買う気になったんですか。

主人: もちろん、それは、値段が安かったからだよ。無疵完品なら高いからね。陶磁器では、土物の陶器の場合は、疵はそれほど嫌われないが、石物の磁器の場合は、疵は嫌われるんだよね。疵跡が目立つからかな。
 ところが、午前中に、「明治大学博物館」で古墳から出土した土器や埴輪を沢山見てきたばかりだろう。しかも、それらは、盛大に補修された物が多かったからね。疵に目が慣れてしまっていたんだね。そんな状況のときにお前と巡り会ったわけなので、お前の疵をそれほど酷いとは感じなかったんだね。

陽刻: 今はどう感じますか?

主人: やはり、ちょっと目障りかね。美術品として鑑賞する際にはちょっと目障りだね。美術品を鑑賞するための美術館に展示するものにはなれないのかな。当時を代表する典型的な歴史資料として博物館には入れるのかな・・・・・。

陽刻: あの〜、美術館と博物館とではどう違うんですか?

主人: ん!  そう正面から改まって聞かれると返答に窮するね。
 まっ、法律的に言うと、「博物館法」(昭和26年法律第285号)第2条の規定によれば、美術館よりも博物館の方が広い概念で、美術館は博物館の一種だということになるね。また、「美術品の美術館における公開の促進に関する法律」(平成10年法律第99号)第2条の規定によれば、博物館のうちで美術品のみを展示するものが美術館で、美術品以外のものも展示するものは博物館ということになるようだね。
 だけれど、現実には、何が美術品で、何が美術品以外なのかを区分するのは難しいよね。例えば、古代瓦の残欠だって古美術品ということで美術品の仲間入りをするものね。
 そんなことで、この場では難しく考えないで、ごくザックリした概念で聞いてほしいんだ・・・・・。我々は、巷でよく言うだろう。立派な物を「美術館」入りと。それ以外のガラクタを「博物館」入りと。そんな程度で聞いてほしいんだよ。

陽刻: わかりました。軽い気持ちで聞いておきます。
 そうしますと、私はガラクタということになりますね。

主人: う〜ん。そこまではっきりと言うつもりはないんだが・・・・・。まっ、敢えて、強いて区分するとすればそんなことになるのかな〜(~_~;)
 やはり、美術品に属するのか、それ以外に属するのかの区分は、現実には難しいね!








<「古伊万里への誘い」での紹介文・・・その2>

*古伊万里ギャラリー214 : 伊万里染付 花 陽刻是武字文輪花皿

                     (平成28年3月1日登載)



写真1: 伊万里 染付花陽刻是武字文輪花形皿 表面

写真3: 伊万里 染付花陽刻是武字文輪花形皿 裏面
 

 花をデザイン化したものを見込みいっぱいに大きく描き、その周辺には「是」という文字と「武」という文字を陽刻している。
 成形は、型打陽刻で、薄く、シャープである。

 この皿のように周辺の是・武の文字が陽刻になっているもののほか、是・武の文字の代わりに如意頭文が陽刻になっているものがよく見られる。

 共に、明暦、万治、寛文、延宝頃(1655〜1670年代)に盛んに作られたようである。

 この時代の代表的な作例といえよう。

 

江戸時代前期    口径:21.8cm  高台径:13.0cm



注: 上では、「その周辺には「是」という文字と「武」という文字を陽刻している。」と書いてありますが、今日(令和2年5月28日)、よくよく見ましたら、「是」という文字は見て取れますが、その他の文字のように思えるものは、何と書いてあるのか分からないようです。










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