前回、「伊万里 色絵 花蝶文 軍配羽団扇形手塩皿」を紹介したところです。
そうしましたら、或る方から、「どういう発想から、このような形の皿が作られるようになったのでしょうか?」という旨の質問が寄せられました。
それに対して、私は、「どうしてこのような形の皿が登場してきたのかは、私にも分かりません。でも、伊万里では、よく軍配形の皿を作っていますし、羽団扇形の皿も作っていますので、『軍配形の皿と羽団扇形の皿を重ね合わせた形の皿を作ってみようか』という発想を抱いた陶工がいて、それを実践した結果生まれたものではないでしょうか」というような趣旨の回答をしたところです。
そこで、今回は、この私の回答がまんざら出鱈目ではないことを立証したいと思い、この記事をしたためたところです(^^;
まず、上で、伊万里では、よく軍配形の皿を作っていると書きましたが、伊万里でよく作られているのに、我が家のコレクションは貧弱で、我が家には、その軍配形の皿のコレクションがありません(><)
それで、今回も、軍配形皿の画像を「柴田コレクション総目録」(佐賀県立九州陶磁文化館 編集発行)からお借りすることにいたしました。
写真1: 軍配形皿(「柴田コレクション総目録」から転載)
この軍配形皿は、典型的な、軍配形皿と言えると思います。
次に、今度は、この軍配形皿の右半分に羽団扇形皿を重ねれば、「軍配羽団扇形皿」になるわけですよね。
幸い、貧弱なコレクションの我が家にも、この羽団扇形皿があるんですよ(^-^;
この皿については、既に、廃止してしまった拙ホームページの「古伊万里への誘い」の「古伊万里ギャラリー220 伊万里古九谷様式色絵草花蝶文羽団扇形小皿」に紹介済みですが、ここで、再度、紹介したいと思います。
写真2: 草花蝶文羽団扇形小皿
製作年代:江戸時代前期
長径:11.9cm 短径:10.9cm 高さ:2.6cm
青一色の色絵というのも珍しく、また、全体を羽団扇形にするなど、厳しい造 形です。
さながら槍ぶすまのような鋭いシノギ削りもとくとご覧ください。
ジャジャーン! どうです! この羽団扇形皿を上の軍配形皿の右半分に重ね合わせれば! ピッタリと「軍配羽団扇形皿」になるではないですか!
写真3: 軍配羽団扇形皿
これで、私の推理がまんざら出鱈目ではないことを立証できたのではないかと思います(^-^;
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