結構奥深い

即位パレードで話題も絶滅寸前　「サイドカー」の厳しい現実とは？
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意外かも知れねーけど、サイドカーって、実は「地球上で、最もコーナリングスピードが速い乗り物」だったりすんだよな。

勿論、公道を走る市販車でねーで、「レースの世界」でだが。

若い頃、ロンドンタウンで5年程暮した経験あんだけど、当時はブランズハッチやシルバーストーンとかのサーキットでは、サイドカーレースが盛んだったよ。

所謂「ニーラーカー」ってので、それこそキカイダーのサイドカーみてえなの。要は、「3輪共、クルマのスリックタイヤを履いた」のを想像して欲しい。カー側はシートは無く、単なる板。

だから、コーナリング時は、クルマのタイヤのグリップ力に加え、パッセンジャーの体重移動ってな、バイクの特性が加わるので。

特にカー側のコーナリングでは、パッセンジャーは、肩を路面に擦るくれーイン側に身を乗り出す。バイク側ではライダーの真後ろにってな具合。

こいつも私事だけど、も1/4世紀くれえ昔だが、一度だけ手前もサイドカーを乗ってた時期が有る。

車種はBMWのR90CS、カーは英国製のワトソニアンだったねえ。

まあ、時代はバブル全盛。中古で200万くれーだった。用途は、当時病床で彼岸に渡る前の母が、「君のバイクに乗せて欲しい」からでな。

多くは、病院をこっそり抜け出して、馴染みのスナックで、酒飲んで騒ぐ為だったけどなあ。

最初は、駐車場で練習したよ。サイドカーって、不思議な運動特性を持つから。

ハンドルが真っ直ぐで、アクセル開けると、バイク側に曲がろーとするし、閉じるとカー側に曲がろーとする。そして絶対に危ないのは、左側カーで、リアブレーキを踏むコトだよな。これ遣ると、突然、対向車線に飛び出すので。

皇宮警察のゴールドウィングもそうだが、実はサイドカーに一番相性の良いバイクは、「水平対向エンジン＆シャフトドライブ」だったりする。

てか、旧いBMのバイクって、「最初から、サイドカー前提で開発された」と思うよ。

今のBMはどーか知らねえが、水平対向エンジンって、構造上、バンク角が低く為るんだ。でもサイドカー付けたら、車体を傾ける必要がねー為る。

あと、チェーンやベルトドライブと違い、シャフトドライブ車は、トラクションの関係上、後輪に動力が伝わる度に、バイクの場合、回転方向側に、車体が傾く傾向が有るのでな。

因みに、第二次大戦中、最も優れた軍用サイドカーもBMWだったそーな。ハーレー社ですら当時、伝統のV型2気筒エンジンを捨てて、XAって、BMのまんまコピーを、軍用で大量生産したくれえ。

そして、その基本設計の優秀さは、旧社会主義国家でも模倣されたんでなあ。あ、勿論、軍用バイクとしてだが。

中国では「長江」、そしてロシアでは、「ドニエプル」や「ウラル」ってメーカー名だけど。

そうそう、これは、今でも新車で買えるらしい。で、この3種は「カー側の車輪も駆動する」んだよ。

ドニエプルに関しては、訊いた話しなんだけどさ、このバイク、エンジン真下に鉄板が張られてて、そいつは「焚き火用」だそーな。極寒でオイルが凍結した際の対策らしいけど、凄えよなあ。

ところで、TVでサイドカーが有名に為ったのはキカイダーかも知れねえけど、映画でサイドカーが大活躍するのは、邦画では「爆裂都市」だったね。

今は亡きルポライターの戸井十月と、今は直木賞作家に為った町田庚（当時は町田町蔵）が扮する、キチガイ兄弟（これが役名なんだよ）が、劇中で乗り回す、Z400FXのサイドカーだった。

役柄からか、台詞なんざ無く、叫び声ばかりだったけど、あの疾走感は、今も忘れ難いのでなあ。

時たま、もう一度転がしてみてえと思うよ。でも、こっちは「余程の幸運に恵まれる」って、前提条件が着くんだけど。

なんせ今の借家には、「バイク用のガレージしか併設されてねえ」のだからさ。