判断基準は「報酬」

■ヤマハ英語教室の女性講師が労組結成　待遇改善求める
(朝日新聞デジタル - 01月20日 17:10)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5464057

ま、俺も類似の働き方（住宅リフォームの飛び込み営業）で、路上で糧を得てるんだが。最近は大手でも、この記事みてーな、個人事業主名目で、実態は「無権利な雇用形態」が、やたらと増えてる印象受けるよ。

派遣やパートとかの、何時でも解雇可能な、廉価な労働力で、人件費を大幅圧縮して、株価を黒字にして配当増やして、それに旨味を覚えた雇用先の次の理想は、「全労働者の下請化」だと思う。

下請なら、「別な会社の人」なんで、社会保険や厚生年金の支払も逃れられ、労働法を無視して残業代も誤魔化せる。おまけに派遣会社にマージンの支払もせずに済むんで。

問題なのは、「その報酬」じゃねーかな？私事だが俺は、所謂「フルコミ（完全出来高制）」だ。だから、基本給も残業代も存在しない。売れなきゃ１ヶ月タダ働きさ。実際にはそいつは滅多に無く、平均、１契約辺り、報酬は３０万程度。月に３契約も挙げれば、２〜３ヵ月後には、手取り（勿論税抜きだ）100万くれー貰えるのでな。

年収は、多いと900万近く。少ない年でも500万は切らない。流石に1000万超えると、個人事業主扱いなんで、消費税の納税義務が生じるよ。

拘束時間は確かに存在する。でも、正常な雇用契約じゃねーので、監視はされない。別に売れねーでも、「給料泥棒呼ばわりもされない」ね。なんせ、基本給もねえし、そいつが稼いでも稼げなくても、「販社は1円も損しない」のでなあ。

関り方も、そいつの都合次第。俺みてーに、夫婦二人で子供居ねえと、「バイクやクルマとかの趣味が稼業の理由」なんてえやつも居る。その一方で還暦をとうに過ぎ、国民年金の月6万だけだと生活出来ねーので、不足分に「月1契約も挙げれば充分」って、独居の高齢者も混じる。定年制とかもねーので。

では、果たして、この記事の女性講師達は、個人事業主と見做していいのか？なんだが、俺には「違法な偽装雇用」にしか映らねえよ。

まず、彼女達には、「月100万以上の報酬を稼ぐ機会は皆無」なのでな。下手すっと、「最低賃金以下」の可能性も有る。こいつは類型の雇用形態の塾講師が、｢担当コマでの支払い」が多いから。

代用教員の中には、余りにコマ数が少なく、「生活保護を受けながら教壇に立ってる」なんてえ人も・・・だから、この記事で、偽装請負社員達の企業内組合が出来て、会社側に団体交渉権を求めるのは、本当に画期的でな。

振り返れば、雇用の流動化は、ヤマハも含めての経団連加盟企業が、歴代自民党政権への献金から、様々な法改正を経て実現した。

最初は小泉・竹中の「改革」で、結果的に、派遣就労が全産業に渡り、全面的に解禁され、今じゃあ、その路線を継ぐ安倍・竹中の「改革」で、「残業代タダ」や挙句は「もっと人件費の安い、外国人労働者を大量に」だろ。

ならば、余りに無権利で廉価に扱われた労働者達は、企業に対して、「俺達をもっと、ちゃんと雇え！」と、主張する権利が有ると思うよ。

株価ばかり上がって、実態経済は不況そのもの。挙句はゴーンみてえなのが、「正当な報酬です」と10億単位のカネ貰って、のさばり返る馬鹿みてーな社会なんざ、何時迄も続けてられねえのでな。