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2019年10月14日17:46

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大糸線増便バスに乗車

大糸線活性化協議会(沿線自治体やJR西日本などで構成)による「大糸線増便バス」の運行が、今月1日から12月31日まで実施されています。
「新潟県・庄内エリア デスティネーションキャンペーン」を契機とした交流人口の拡大を目的としたものです。
http://www.city.itoigawa.lg.jp/item/23589.htm

運行を担当するのは糸魚川バス。
期間限定とはいえ、頸城自動車グループの路線バスが国道148号線経由で長野県へと越境運行するのは、1955年から運行されていた大町〜能生線急行(休廃止時期不明、松本〜能生で運行された時期もあった模様)以来かと思われます。
そうなれば、信州の地に足を踏み入れる糸魚川バスの活躍を目にしておきたいもの。
台風19号が接近する直前の11日(金)に、その機会を得ることができました。

JR信越線・トキ鉄の普通列車を乗り継いでの糸魚川入り。
トキ鉄(日本海ひすいライン)の糸魚川到着での乗り換え案内ですが、残念ながら増便バスの案内はされておらず、定期列車の発車時刻がアナウンスされていました。
今後の改善点といえそうです。

糸魚川駅は、南口(アルプス口)からの発着です。
既存のバス停を使用。
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増便バスは糸魚川駅〜白馬駅の運行で、鉄道ダイヤの合間に3.5往復が設定。
このうち糸魚川駅〜南小谷駅の間は各駅に停車し、南小谷駅〜白馬駅の間は観光客の利便性に配慮すべく白馬八方バスターミナルに立ち寄ります。
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さて、糸魚川11:55発→白馬13:15着の増便バス3便に乗車します。
やって来た車両は、長岡22か1227(いすゞKC-LV380L)。
「JR大糸線増便バス」と専用の方向幕が用意されたほか、側面後扉付近にはオリジナルのサボが掲出されています。
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前乗り前降り方式。
乗車時にきっぷを運転士に提示します。
現金での車内精算も可能。
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外国人観光客の利用を想定した英字による案内表示も、車内・車外にそれぞれ掲出されています。
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糸魚川駅を発車したバスは、中央大通り(県道222号線)・旧国道148号線(市道上刈白馬通線)と進み国道148号線へ。意外にも、中央大通りから直接国道には入らず、一部区間を重複する糸魚川バス根知線と同じ経路の旧国道に入るとは…。

姫川駅では、国道上にバス停を設置。
糸魚川バスの姫川駅前バス停と共用します。
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国道から外れ、頸城大野駅へ。
駅へのアプローチは、重複する根知線とほぼ同じのようです。
ただ、駅から国道へは根知線と異なり、大野小学校付近で右折し国道を目指します。
根知線の狭隘区間、大野地区公民館前〜小坂ふれあいセンター前の間は経由しません。
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再び国道を外れ、根知駅へ。
こちらは、出入りとも根知線とほぼ同じコースの模様。
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根知から先は、しばらく国道148号線を南下。
小滝駅も、バス停は国道上に設置されています。
ちなみに平岩駅までは、糸魚川バスの季節運行路線である白馬岳登山バス(蓮華線)【18】とルートがほぼ重複します。
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そして平岩駅に寄り道。
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平岩駅から先は、一部区間を除いて小谷村の村営バス北小谷線(アルピコタクシーに運行委託)とルートが重複します。
まずは国道に戻り、県境を越え長野県小谷村に突入。
*撮影に失敗しました。
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国道を外れ、北小谷駅へのアプローチ。
雰囲気からみてお気づきかと思いますが、旧国道だそうです。
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北小谷駅のバス停はこちら。
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いったん国道に戻りますが、次の中土駅へも旧国道に寄り道します。
姫川橋は大型バス1台分の道幅しかありません。
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左に姫川を眺め、さらに大糸線の下をくぐります。
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中土駅です。
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国道(現道)に戻るべく、ひたすら走り続けます。
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あとは国道を南下し続け、南小谷駅へ。
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さらに白馬村へと突入します。
白馬らしい北アルプスの山並みが姿を現しました。
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新田・森上交差点を右折し、白馬八方バスターミナルへ寄り道。
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あとは県道322号白馬岳線をひたすら東へ。
終点の白馬駅に到着です。
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駅舎をバックに一服する1227の姿は、実に新鮮です。
そこへアルピコ交通の16107(松本200か1113/日野セレガ HD・QTG-RU1ASCA)が登場。
白馬駅13:30発→白馬乗鞍14:00着の便でしょうか。
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このあと1227は、折り返し13:30発の増便バス4便として糸魚川に戻ります。
残念ながら乗客は現れず。
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今回乗車した増便バス3便の乗客は、当方を除くと根知までの年配女性のみ。
あとはひたすら「貸切」同然でした。
JR「秋の乗り放題パス」の利用期間前日(12日から)だったこと、台風接近で3連休絡みの旅行を取りやめた観光客が多いこと、そもそもPR不足の可能性があることなど、いろいろ要因は考えられそうです。

大糸線の糸魚川〜南小谷間は、利用者数自体が非常に少ないです。
2018年度の1日あたり区間別平均通過人員は102人で、2017年度に比べ2人減。
幾度も廃止の危機が取り沙汰されています。
https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2019_08.pdf


同じくJR西日本が運行し、昨年3月末限りで廃止された三江線では、今回の大糸線と同じく現行の鉄道ダイヤにバスでの増便を加えた「三江線増便社会実験(バス)」が2012年10〜12月に実施され、利便性向上による鉄道利用の促進が目論まれました。これを引き合いに出し、大糸線でのバス増便を「鉄道廃線への露払い」とみる向きが多いようです。
https://www.westjr.co.jp/press/article/2012/08/page_2427.html

今回はあくまで、ディスティネーションキャンペーンと絡めた観光利用の促進を目論んだものであり、三江線でのバス増便の趣旨とは若干異なるようです。しかし鉄道の利用状況が厳しいことはどちらも同じで、鉄道廃止を懸念する声が上がるのも理解できます。

糸魚川〜南小谷間は沿線人口が少ないうえ、国道148号線がほぼ全区間で並行。
おまけに県境で文化・経済圏が隔絶されているため、需要が極めて限られています。
金沢・富山方面から白馬・松本方面への観光周遊利用をいかに増やすかがカギといえますが、こちらも立山黒部アルペンルートや高山・上高地などとと競合しており、大糸線回りでなければ味わえない魅力をどう創出するかが課題になりそうです。

バスによる増便運行が、今回限りの単発に終わることなく継続的に実施されるよう期待しております。糸魚川入りのついでに、できるだけ利用しておきたいものです。



白馬駅からは、アルピコ交通の特急バス長野〜白馬線。
13:45発、栂池高原からの長野駅東口ゆきで終点まで乗車します。
やって来た車両は16106(松本200か1112/日野セレガ HD・QTG-RU1ASCA)。
先ほど登場した16107の僚車でした。
乗客数は11人。
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そして長野からは、しなの鉄道北しなの線339M→トキ鉄妙高はねうまライン2361M→信越線3375M快速と乗り継いで帰宅します。
まさかその2日後、あのような惨事になろうとは…(北しなの線も冠水により不通)。
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長野県内も含め、台風19号で被災された方々にはこの場を借りて深くお見舞い申し上げます。
また亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆様には心からお悔やみ申し上げます。

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