高速バス長岡→新潟空港線実証実験始まる

県外逃亡レポは再び中断です。

本日11日より、新潟県による新潟空港アクセス改善プロジェクト事業｢中越方面からの早朝ダイレクトアクセス実証実験｣がスタートしました。
新潟空港への高速バス乗り入れ実証実験は、今月1日より始まった会津若松線に続いて2路線目です。
https://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20190911494381.html

これは新潟空港へのアクセス向上により空港利用者の新規需要を掘り起こす一環として、早朝航空便に対応した公共交通アクセスの確保を実証実験として行うものです。公共交通によるアクセスで同空港7〜8時台発の航空便に間に合う地域を増やすことで、空港利用の障壁の一つを取り除き、新規需要の獲得に効果を発揮する可能性があることを実証実験により検証することが目的です。

今回の実証実験は長岡市を対象地域とするもので、県内高速バス長岡駅前→新潟空港線が新たに運行されることとなりました。
長岡駅前5:30発→新潟空港6:50着の片道1本で、既存の新潟〜長岡線(新潟交通･越後交通共同運行)よりも早い時間帯に運行ダイヤが設定されています。
これにより、既存高速バス路線とリムジンバスによるアクセスより1時間25分、JR在来線とリムジンバスによるアクセスより45分早く新潟空港に到着できることになります。
これまで長岡市内からの公共交通アクセスでは搭乗が困難だった、新潟7:40発の新千歳ゆきANA1857便、8:00発の伊丹ゆきANA516便への搭乗が可能になります。

また、終点の新潟空港を除き降車不可のクローズドドア制が採用されているほか、鳥原以降も新潟空港ICまで引き続き北陸自動車道を走行し、新潟市街地を経由しません。
既存2事業者の深刻な運転士不足もあってか、運行事業者はアイ･ケーアライアンス。
http://www.izumi-group.jp/expressbus_kennai/

さて、長岡駅前からの運行初便を狙うわけですが、今回は北陸自動車道上のバスストップである西野(新潟市江南区)から乗車します。
80台収容可能のパークアンドバスライド駐車場が整備されているにもかかわらず、これまで客扱いを行う路線は新潟〜山形線(新潟交通･山交バス共同運行)と夜行の新発田･新潟〜東京線(泉観光バス)の県外2路線のみ。県内路線は新潟〜村上線(新潟交通観光バス)が2016年9月末限りで廃止されて以降、客扱いを行う路線はありませんでした。
https://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/doro/kotsu/mm/park-ride.html




定刻6:33発より10分遅れでバスが到着。
車両は、新潟230あ8802(いすゞガーラ HD･QRG-RU1ASCJ)。
精算は現金のみ受け付けるとのことで、貸切用車両が充てられるものと予想していたら、まさかの新潟〜十日町線専属車…。
なお、運賃は先払い制で、両替機つき運賃箱は使用不可。
隣に設置された簡易式の運賃箱に現金を投入します。


乗客は3人。
いずれも男性ですが、所持品は少なく航空便に搭乗する様子ではなさそう。
かといって、趣味目的での乗車を匂わす仕草も見られず。
アイ･ケーアライアンスの担当者らしき方も添乗しておりました。

バスは新潟空港ICで高速を降り、片側2車線の新潟空港アクセス道路(県道16号線ほか)を北上します。早朝なので渋滞はなく、赤信号での停止を除けば至ってスムーズ。


一方、車内に目を移すと運賃表示器はなぜか｢市内均一｣に。
音声合成放送装置による設定はないようで、運転士さんが肉声でアナウンスを行っていました。


下山交差点を左折し国道113号線へ。そして空港入口交差点を右折し、10分の遅れを引きずったまま新潟空港に到着です。迎える報道陣もバスファンの姿もありません。
ちなみに、LED式行先表示器にも設定がないらしく、社名を表示しておりました。




これまでも日記でお知らせしているように、長岡〜新潟空港の高速バス路線は過去2回にわたり既存事業者が運行しており(うち1回は社会実験)、いずれも実績を上げることができず運行終了となりました。今回はこれまでの運行にはない、既存公共交通を利用しての搭乗が困難だった早朝便に間に合うダイヤを設定。需要獲得と路線の定着を狙います。運行初日の今回は｢お試し乗車｣が目立つ印象をもちましたが、積極的なPRで多くの人に路線の存在を浸透させ、本運行へとこぎつけてほしいものです。
あとは、やはりICカードが使えると…。