【2018年09月09日の読み返し反訳】
速記検定1級では、10分間に3200字速記したものを13倍、130分かけて手書き反訳する。いつも、反訳するのがやっとで、なかなか読み返す時間がない。反訳が早く終わって読み返しもきちんとできるときは、合格するときである。
速記検定の問題は、当然のことながら、毎回内容が違う。オリジナルの問題が出題される。何が出るかさっぱりわからない。書いたことがないような問題がほとんどだから、必死で書かなければならない。省略符号はほとんど使えないので、全て基礎符号で書くことになる。
手書き反訳だと13倍の130分かかるが、音声認識を使って読み返し反訳をすれば、1倍の10分で反訳することも可能である。
10分間速記したものを10分間で読み返すことは、速記者の目標である。
私は、先輩の長野さんに毎日、10分間3200字〜3600字で会議録を朗読してもらって、1年間、全文読み返しの練習をしたことがある。
一番速く読み返しができたときは、11分だった。15分から20分かかることが多かった。よどみなく速く読み返しができる速記者が優秀な速記者で、私と一緒に練習した優秀な速記者は、常に15分ぐらいで読み返すことができた。
音声認識ソフトを使えば、読み返す時間で反訳ができるから、3200字速記したものは10分〜20分ぐらいで反訳できる。
音声認識ソフトは改良されていて、明瞭な発音に対しては明瞭に反応する。ノーミスで反訳することも難しいことではない。
速記者は、現場で速記して、読み返しで反訳して、録音で検証するという手順をきちんと踏むべきである。会議録ができているのだから速記などしなくてもよいという考え方は間違っている。現場に出なくても速記をしなくても構わないという考え方は間違っている。
一級速記士が現場に出て速記して反訳して録音で検証して会議録を完成させるという従来の仕事のやり方は間違っていない。速記と音声認識と録音をうまく組み合わせることで、理想的な速記の仕事ができるはずである。
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