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2019年07月21日02:30

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「三体」を読んで、持続可能な世界を考える

早川書房から翻訳が出版された現代中国最大のヒット作を読みました。
文革で父を殺され、人類に絶望した科学者が、自分で暴走を止められない人類を滅ぼしてくれと地球外生命体に通信するSFですが、実は世界の持続可能な開発や、地球環境や生物多様性の保全を考える上で非常に興味深い作品でした。
まず、主人公葉文潔が人類に失望するきっかけの一つが、文革後に送り込まれた森林の非持続的な伐採現場で偶然レイチェル・カーソンの「沈黙の春」を読んだことだということ。
そして軍の機関紙の記者の森林破壊を中央政府に報告する手紙に賛同し、浄書を手伝ったこと。
さらに、伐採された渡鳥の営巣地で「木を植えた人」さながら独力で植林を進め「すべての生命は平等」と「種の共産主義」を唱えるエヴァンズに会うこと。
その造林地が住民に伐採されるとエヴァンズは「貧困の結果だ」と言いつつ、米国の京都議定書批准拒否を引き合いに出して途上国に汚染源を移転する先進国を批判する。
葉文潔の通信に応じ地球外生命体が動き出し、さてどうなるんだというところで三部作の第一部は終わりですが、来年発行が予定されている第二部のタイトルは「暗黒森林」だというので、ますます目が離せません。
それにしても、ますます国際非協調を強めるトランプ政権のパリ協定離脱をはじめとする「アメリカ・ファーストや、生物多様性愛知目標やSDGsの達成が危ぶまれるのは、もしかしたら、本当に、「智子」が送り込まれたせいかもしれません。
葉文潔と違い、まだまだ人類に絶望できない我々はまず何をすべきか?
今日は参議院選挙の投票日です。

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