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2020年04月09日23:24

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小菅優のベートーヴェン

今夜は、これで。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770～1827)作曲
ピアノソナタ第17番ニ短調Ｏｐ．31-２「テンペスト」
Ｐｆ：：小菅優

小菅さんの生演奏は折に触れて聴いてきたが、本曲は、これが演奏されるから行った、
と言っても過言ではない。Four Elements vol.３Windで聴いた。

▲会場の、いずみホール。
「テンペスト」はベートーヴェンが名付けた訳ではない。弟子がベートーヴェンに本曲
は、どう理解すれば良いのかと訊いた所ベートーヴェンはシェイクスピアの
「テンペスト」を観なさい、と伝えたという逸話が伝わる為である。
私の日記に高頻度で登場する上司が「ではテンペストは、どんな意味か」と問われ、
思わず携帯電話で調べたら嵐という意味である事が分かった。
この世界の物質は水、火、風、土の四元素から成る、という考え方がFour Elements
の下敷きにあり、これを広めたのはアリストテレスだと言われている。
ベートーヴェンも実は知識人であった。
冒頭に序奏が付けられている。同主調のニ長調の主和音レ＃ファラが変形されて
現れる。最初に聴いた時は本当にニ短調の曲なのかと思った。しかし長調で明るい筈
だが不安を惹起させる。予感は的中、主部に入ってAllegro、文字通り嵐がやって来る。
以前「題名のない音楽会」で小菅さんが父と娘の親子喧嘩に喩えていたが面白い。
第２楽章が♭が一つ増えて変ロ長調。前楽章からバトンを受ける序奏から緩徐楽章。
終楽章はタララランと不安定な音楽。そして最後はアルペジオからレの弱音で、
すっと終わる。
我が家の外、事もあろうか今夜、嵐。

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