(４月５日)
今夜はクリストフ・エッシェンバッハさんの指揮でマーラーの交響曲第２番「復活」。
どうもマーラーは好きになれない。ウィーンで活躍した音楽家なのでドイツ・ロマン派
に含まれるが、マーラーの音楽には、その枠組に収まらないものを感じる。その一つが
マーラーがユダヤ人の家庭に生まれた事ではないか。
これは実はマエストロ・エッシェンバッハの生い立ちとも重なる。であるから
エッシェンバッハさんはマーラーに深い思い入れを持ち、交響曲を全曲演奏するに
至ったのだと私は解釈した。
交響曲第２番「復活」はハ短調で書かれている。マーラーはベートーヴェンの強い影響
を受け、遂には「第九の呪い」に罹ってしまうが、実はハ短調はベートーヴェンが多用
した調である。５楽章構成90分という長大な作品。第１楽章がハ短調の性格が投影した
劇的な。しかし捻りが加わって難解。第２楽章・第３楽章は、どちらも舞曲調で
第２楽章がレントラー。これはドイツ系舞曲。第３楽章がスケルツォ。第４楽章から
声楽が加わる。藤村さんが心打たれる歌唱。終楽章でハ短調に戻るが「人は必ず死ぬが
必ず復活する」という強いメッセージを合唱団が発出。平行調の変ホ長調へ転調。
変ホ長調は神の調とも言われるのをマーラーは知っていたのであろう。
音楽で慰みを、というマエストロのメッセージが心に届いた。
今回はマエストロ・エッシェンバッハの特集が付録で、前述した生い立ちの話は、
ここから。1940年ドイツ領であった町に生まれてナチスの為、父母を共に失う。
養母の影響でピアノを学び、ピアニストとして一流となった後、カラヤンらに学んで
指揮者に。ＰＭＦにも９回出て、後進を育成している。
コンサートαモドキはブラームスの交響曲第３番の第３楽章。本曲はヘ長調で
書かれているのですが、この楽章はハ短調。メランコリックなイメージがあります。
抑々ヘ長調なのに明るくない。しかしながら名曲だと思います。
どちらかと言えば、ゆったりとした情感豊かな演奏であった、と思います。
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