後半は両楽団合同によるメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲。Octet for Stringsに私は勝手に
特別な響きを感じる。何故なら私はOctoberの生まれだから。過去に弦楽八重奏曲を聴いた事
がある、と思い出したのはル・ポン国際音楽祭。樫本音楽監督率いるマックス・ブルッフの同曲
を聴いた。但し、楽器編成が異なり、こちらはコントラバスが演奏に加わる。どちらもドイツの
作曲家だけに繋がりなし、とは言えない。しかも第１ヴァイオリンを見ているとどちらもソリスト
みたいなのである。今回は第１ヴァイオリンを前後半で交代して演奏される。
実は本曲、４月に放送されたバレエの饗宴で流れた。東京シティ・バレエ団の、ずばりオクテット。
第１楽章の冒頭第１ヴァイオリンを務める菅谷さんから、その朗々とした旋律が奏でられる。
第２楽章は平行調のハ短調。
第１ヴァイオリンが西野さんに代わって第３楽章はト短調なので私は丁度
クァルテット・エクセルシオがフェニックスホールでアンコールとして演奏したメンデルスゾーンの
弦楽四重奏曲第１番の第２楽章を連想した。これはカンツォネッタであって悲歌であるが、
本楽章はスケルツォ。軽快で速く活発な演奏。しかし静かに終わる。ところが目の前にいた
チェロの大友さんが思いの外、大きな音で驚く。実は、これが終楽章の始まり。変ホ長調に戻る。
アンコールに何をやるかプログラムを精読すれば分かった。
アンコール
フェリックス・メンデルスゾーン(1809〜1847)作曲
弦楽八重奏曲変ホ長調Ｏｐ．20より第３楽章スケルツォ
「単独で演奏される事も多い。」と書かれている。
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