今夜は
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840〜1893)作曲
ヴァイオリン協奏曲ニ長調Ｏｐ．35
指揮：トーマス・ザンデルリンク
Ｖｎ：神尾真由子
管弦楽：ハレ管弦楽団
神尾さんのコンサートは４回行っている。最初に赴いた時、曲目にチャイコフスキーがあった事
と何せチャイコフスキー・コンクールの覇者である事が決め手で買った。
神尾さんは割合ゆっくり演奏される傾向があるが本曲もAllegro moderatoと言うよりもmoderato。
今回、２枚を聴き比べてイ長調の主和音ラ＃ドミが目立つ、と思った。実は属調。更に転調して
イ短調のラドミのまで出て来る。
第２楽章CanzonettaはAndanteが指定されている緩徐楽章で勿論スローであるが、
ヴァイオリンを歌わせている。悲歌。本曲は交響的な作品である、と繰り返しているがホルンが
不満。終楽章はAllegro vivacissimoだが、物凄い速い演奏ではない。後ろの２楽章は何れも
ロシア土着の音楽を下敷きにしている。第２楽章が悲しい歌、第３楽章が民族舞踏。
この辺りの理解がロシアはサンクトペテルブルクで育ったトーマス・ザンデルリンクさんであると
深いのかもしれない。最後は怒涛の如く雪崩込み終曲。
明日の、もう１曲はプロコフィエフの交響曲。
http://mixi.jp/view_schedule_entry.pl?id=8da818510eeb2fc58c77bc4c86ecb045&owner_id=232213
手元にＣＤは、なく引き続き
セルゲイ・プロコフィエフ(1891〜1953)作曲
ヴァイオリン協奏曲 第２番ト短調Ｏｐ．63
マイミクの間で評判の良い曲。実は、こちらも聴く予定が。
http://mixi.jp/view_schedule_entry.pl?id=91c8775ae8fe85057412ea9f261a4a20&owner_id=232213
新古典主義時代の作品。本当は古典の理解が深かったのに、あえて外すのがプロコフィエフ。
だから冒頭のヴァイオリン・ソロ、ソレ♭ミドレと綺麗な和音にしない。ところが、これが循環主題
となっており、不吉な音色が繰り返される。それを破るように唐突に大太鼓、小太鼓。
第２楽章はベートーヴェンがよくやった事だが、主調の下属調の平行調に転じて変ホ長調。
ヴァイオリン・ソロの旋律をオーケストラが支える。終楽章にはカスタネットが登場する。これは
初演がスペインのマドリードで行われた事に関係するか。とてもリズミカルな演奏である。
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