6日目

2006年11月に会社を設立するためにハノイにやってきた。1998年にサラリーマンを辞めてから久しぶりのハノイだった。その時のことは2006年の日記に書いている。僕はまだ47歳だった。それから15年だ。15年だからあの時のことを書いてもいいかもしれない。あの時とは2007年の夏のことだ。

僕が2006年にハノイに来た時はある人が2005年に設立したばかりの会社の社員としてだった。その会社をＭとしましょう。飲食業に失敗した僕はそのＭに拾ってもらったという感じである。その2006年にＭはけっこうな規模の会社と取引をすることになった。そしてデータを処理する会社をハノイに設立したのだ。そのハノイの会社の社長に僕は就任した。

その時はその務めていたＭが順調に大きくなっていくものだと思っていた。優良取引先をみつけたのだし。僕は子会社の社長としてＭの中で生きていこうと思った。あわよくばＭが上場するときに株式で儲けたいと思った。まったく冗談話ではないのだ。Ｍは日本の最大手のベンチャーキャピタルから2億円も出資を受けていた。上場を目指すぞって本気で思っていた。

翌年2007年7月にＭはその優良顧客の仕事を全て失った。Ｍ側にいろいろと問題があったのだと思う。
そしてＭは翌2008年に倒産する。僕は2008年5月にＭからハノイの子会社（ＭＭＶ）を買い取った。でもＭＭＶにも仕事はなかった。

そこからの戦いだった。2008年からだから13年目である。会社設立からは15年だか僕が投資家になってからは13年だ。

続きは明日。