月と太陽という設定を日本神話の中に見るとしたら、誰しもがまず第一に、月読命と天照大神という二柱の神を思い起こすでしょう。
まずは、簡単に、彼らふたりの誕生について話しておきましょう。
◆イザナギとイザナミ
イザナミという奥さんを出産で亡くしたイザナギは、冥界にいるイザナミを訪れ、もう一度帰ってきてくれるようにお願いしました。
イザナミは、冥界の食べ物を食べてしまったため、すでに戻れないと言ったのですが、ここでイザナギさん、小学生がよく使う必殺技を繰り出しました。
「一生のお願いッ!!」
これを言われたら仕方ありませんな。なんといっても、神さまの一生のお願いです。ハンパないですから。
てなわけで、イザナミは、蘇ることに決めたんですな。ただし、ひとつだけ条件を付けてね。
「ぜーったい、後ろ向かないで♡」
と、言われるとね、向くんだよね。なんというか、誰にも教えないでと言われたら教えたくなるし、この箱開けないでって言われたら開けたくなる、いわゆる、袋とじに代表される心理ですよ。
やっぱり後ろ向いたイザナギさんでした。
◆崩れた一生のお願い
そんなわけで、一生のお願いは崩れ去ります。ブチ切れたイザナミはもはやこの世の存在ではなく、鬼の形相でイザナギに襲いかかります。
死ぬぅぅぅぅぅッ!
もはや美人でも何でもなく、ただの鬼と化したイザナミに追いかけられ、イザナギは命からがら逃げ帰って、あの世とこの世を結ぶ黄泉平坂に石の蓋をしました。
イザナミは石の蓋の向こうから、叫びます。
こうなったら、1日に千人殺してやるわッ!!!
するとイザナギも売り言葉に買い言葉で、叫びました。
だったらこっちは1日に千五百人生んでやるわッ!!!
そのあと、イザナギは禊をします。その際、右目を洗ったらツクヨミが、左目を洗ったらアマテラスが誕生しました。
ちなみにこの時、鼻を洗って誕生したのが、スサノオです。
本題に入る前に、ひと休み( ̄▽ ̄)
ログインしてコメントを確認・投稿する