920梅雨寒にビール手酌で冷奴
*自由律なのに時々五七五(笑)
921ビールグラスの水滴多き梅雨
922野薊の棘ひざ小僧に痛かったころ
923スケッチ旅行わざと間違う遠近法
924レクイエム聴きつ死んだように眠る
925前線直下頓服飲んで横になる
926チャイコ6番アダージョに涙す*
*有名な「悲愴」ですがこの標題はチャイコフスキー自身が付けたものではなく、センセーショナルな題名を付けないと売れないとする義弟(義兄?)が勝手に付けてしまったものです。だから私はこの曲をちっとも悲愴だとは思っておりません。念のため。
927古い絵葉書を出す返事はない
928願い事短冊に書く逢引き叶うのか
929地上は非常事態宣言天の川
930何日も絵日記書けずステレオ鳴っている
931湿度の低い午後三時表札を貼り直す
932そういえば夏野菜を食べていない
933ロング缶二本板チョコ三枚ほろ酔い
934板チョコ冷蔵庫から出す忽ちもろもろとなる
935梅雨明け炎天かき氷喰う哲学者
936腹下す厠の外で馬追虫(すいっちょん)が啼く
937ビール我慢する日々一日が長い
938第二の春謳歌する兄膝を痛める
939汽車便洋式にする膝痛める兄
940扇風機回しっ放し肩が凝る自分も首廻す
941コロナ禍下オリンピックは無観客
942暑くてうとうと寝ていた蝉鳴く
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