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2021年05月02日13:59

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絵のない日記2021/5/2(日)ふたつの「メルロ=ポンティ入門」

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「メルロ=ポンティ入門」
船木亨
ちくま新書

以下、ネットより引用

>内容(「BOOK」データベースより)
われわれはこの世界に生きており、現代の歴史に属している。それにしては、そのことがちっともぴんとこないのはなぜなのだろう。世界や歴史と無関係に、われわれのささやかな人生がここにある。だからといってとるにたらないことなど何ひとつなく、われわれがものごとを考えて決断するときには、やはり歴史の論理のなかを、おなじ世界の他者たちとともに生きるのである。現実的とはどういうことで、真実を語るとはどのような意味か。メルロ=ポンティ哲学をひもときながら、われわれのもとに到来する出来事を真剣に取扱う姿勢について考える、一風変わった入門書。

>著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
船木/亨
1952年東京都生まれ。博士(東京大学)。東京大学文学部倫理学科卒。同大学院博士課程修了。熊本大学文学部教授。おもに現代フランス思想に参照しながら、人間がそこで自己を理解していく倫理的形而上的空間の様相をあきらかにしようとしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

>アマゾンレビューより
★☆☆☆☆
いったい何だ、この本は?
2015年5月18日に日本でレビュー済み
◎本書の内容と意義
著者ご自身が「あとがき」で述べておられる。すなわち:

「わたしは、メルロ=ポンティの主張の骨子だけを、これ以上ないという分かりやすさで語りたいと思って書きはじめた。
…(中略)…
だが、わたしのようなやり方をすると、どこまでがメルロ=ポンティの思想で、どこからがわたしの思想かはっきりしなくなってしまうという欠点がある。メルロ=ポンティの思想そのものを理解するには、やはりメルロ=ポンティが書いたものを読むのが一番早い。」

◎入門書を期待する読者さんへのおすすめ度: ★×ゼロ
上述の「欠点」により、少なくとも "メルロ=ポンティ入門" には役に立たない。

◇補足すると:
▲著者自身を示す "わたし" が主語の文、または文脈や表現からして著者の主張だ(ろう)とわかる文、が大半を占める。かなり個人的な体験談なども含まれるので、「この本、学術書でなくエッセーか?」とさえ思ったりする。
▲それに対し、「メルロ=ポンティによれば……である。」等の表現の文、メルロ=ポンティの著作からの引用文、等々は本書全体のボリュームと比べれば結構少ない。
▲もし仮に、一見すると著者の個人的な話としか思えない文面が、実は "これ以上ないというわかりやすさ" によるメルロ=ポンティの解説なのだとしても、(1)そういう書き方を採用する、という断りが特にあるわけでない、(2)結構な量の文章を消費し、概して冗長に過ぎる、(3)その途中に主語が「わたし」である文が遠慮無く割り込んでくる。よって、まさに「あとがき」の通り、(4)どこまでがメルロ=ポンティ自身の主張でどこからが著者による解説・補足等なのか、特に初学者にはさっぱりわからない。
>(22人のお客様がこれが役に立ったと考えています)

 あははは。「現代思想」を学ぶには避けては通れぬ「現象学」「実存主義」。そこでネット古書店の「入荷メールお知らせサービス」にモーリス・メルロ=ポンティの入門書やら本人の著書、概説書を盲滅法に登録しておいた。メルロ=ポンティ本人の著書(主に「取っ着き易い文庫本」)を集めていたら、この本が引っ掛かった。まあ、趣味で勉強してる訳なので肩肘張らぬ「ヘンな本」でもいいんじゃないか?ということです。
 しかし脱線しっぱなしでも困るので、次の入門書を買ってみた(新刊)。

「メルロ=ポンティ 可逆性」
鷲田清一
講談社学術文庫2020年10月7日第一刷発行

>内容紹介
本書は、現象学を前人未踏の域に導いたフランスの哲学者モーリス・メルロ=ポンティ(1908-61年)の生涯と主要著作をていねいにたどる至高の概説書です。『モードの迷宮』(サントリー学芸賞)や『「聴く」ことの力』(桑原武夫学芸賞)など、多くの支持を得てきた著者が、みずからの出発点にある哲学者と真摯に向き合い、全力で格闘した稀有なドキュメントがここにはあります。
フランス西部のロシュフォールで生まれたメルロ=ポンティは、高等師範学校でサルトルやボーヴォワールと知り合い、そしてフッサールの現象学と出会いました。初めての著作が『行動の構造』(1942年)と題されたように、メルロ=ポンティは「生活世界」に注目した後期フッサールを引き継ぐとともに、その中心に身体をもつ人間を据えることで独自の道を歩み始めます。その最大の成果が主著『知覚の現象学』(1945年)です。
戦後はリヨン大学で教鞭を執ったあと、1949年にはソルボンヌの教授、そして1952年には異例の若さでコレージュ・ド・フランスの教授となったメルロ=ポンティは、サルトルとの共同編集で『レ・タン・モデルヌ(現代)』誌を発刊し、『ヒューマニズムとテロル』(1947年)などでマルクス主義に関する考察を続けることで現実と向き合いました。さらにサルトルの実存主義、ソシュールの言語学を取り入れたメルロ=ポンティは、1960年代にはさらなる高みに到達し、『シーニュ』(1960年)を発表しましたが、翌年、惜しまれながら急逝します。残された遺稿は『見えるものと見えないもの』(1964年)や『世界の散文』(1969年)として公刊されました。
これら燦然と輝く著作の数々を激動する時代の中で繰り広げられた生涯に位置づけつつ精緻に考察していく本書は、まさに著者の「主著」と呼ぶべきものです。このたび学術文庫版として新たな装いをまとうことで、永遠の生命を得ることでしょう。

[本書の内容]
まえがき
プロローグ 現象学の地平へ
第一章 構 造――〈行動〉の研究
第二章 運 動――〈身体〉の現象学
第三章 スティル――〈変換〉の現象学
第四章 偏 差――〈隔たり〉の現象学
第五章 可逆性――〈肉〉の存在論
エピローグ 現象学の臨界点
主要著作ダイジェスト
キーワード解説
読書案内
あとがき
学術文庫版あとがき
メルロ=ポンティ略年譜

>内容(「BOOK」データベースより)
未踏の境地に達しながら惜しまれつつ早世したモーリス・メルロ=ポンティ(一九〇八‐六一年)。現象学から出発し、構造主義の流行、一九六八年の革命と続く激動の時代に生み出された主著『知覚の現象学』をはじめとする著作は、今も多くの読者を獲得し続けている。その生涯と全主要著作をやわらかに解きほぐす著者渾身のモノグラフ、待望の文庫版!

著者について
鷲田 清一
1949年、京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。大阪大学総長、京都市立芸術大学理事長・学長を歴任し、現在、せんだいメディアテーク館長、サントリー文化財団副理事長。専門は、臨床哲学・倫理学。主な著書に、『現象学の視線』、『顔の現象学』、『だれのための仕事』、『〈弱さ〉のちから』、『京都の平熱』(以上、講談社学術文庫)、『モードの迷宮』(サントリー学芸賞)、『「聴く」ことの力』(桑原武夫学芸賞)ほか多数。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鷲田/清一
1949年、京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。大阪大学教授、同大学総長、京都市立芸術大学理事長・学長を歴任し、現在、せんだいメディアテーク館長、サントリー文化財団副理事長。専門は、臨床哲学・倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 これなら「入門書・概説書」として真面目( ?! )に読めるのではなかろうか?
 しかしながら私の読書モードは本格的には戻っては来ない。井上ひさしの軽めなエッセイを少しずつ読むので精一杯。いつになったら「現代思想」にたどり着けるんでしょ?(笑)
 デリダ、バタイユ、バルト、ドゥルーズ=ガタリ、フーコーと読み進める予定であり、着実に本は増えている…。










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