相変わらずなかなか物事が片付かない気力のない毎日である。懲りずに本とCDをセコハン通販で買っているが(これが今一番の楽しみ)、まだ読書モードがやって来ないので未読の本が溜まるばかり。CDばかり聴いている。
「ギャルトン事件」
ロス・マクドナルド
(リュウ・アーチャーシリーズ9作目) ハヤカワ・ポケット・ミステリ
>カスタマーレビューより
「大きな転機となった作品」
2007年11月23日に日本でレビュー済み
形式: 新書
前作「運命」と共に、R.マクドナルドが単なるハードボイルド作家からアメリカ社会の病巣を抉る作家へと飛躍を遂げる転機となった作品。
アーチャーは金持ち一家(ギャルトン家)から20年前に失踪した息子の捜索を頼まれる。雲をつかむような話である。そして、一家の弁護士の下男の息子が殺される。アーチャーは2つの出来事が関係すると睨み、真相を追求するうちに一家の悲劇、アメリカ社会の病巣を浮かび上がらせると言う趣向。こう書いていると後期の「ドルの向こう側」に構想が似ている事が分かる。本作を転機と呼ぶ所以である。後期の作品よりアーチャーは能動的だが。尚、本作の舞台設定は、作者自身の体験を反映したものらしい。
作家としてのステップ・アップを果たし、アメリカを代表する社会派ハードボイルド作家への道を切り開いた記念碑的作品。
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