mixiユーザー(id:2230131)

2008年08月05日20:56

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The Joshua Tree/U2

実はU2はちょっと苦手なタイプの音楽である。

ボノの熱心な社会活動への取り組みだったり、音楽に対する真摯で誠実な態度だったり、そういうのは本当に立派だなぁって思うし、尊敬して止まない人達ではある。
だが僕は思想やアティテュードで音楽を聴くタイプではないし、そういうのは後から付いてくるものだと思ってるので。
だから単純にU2の音で苦手なところがあるということになるが、どこが苦手かと聞かれてもうまく説明できない。
暑苦しいボノのボーカル?スティーブ・リリーホワイトの乾いたプロダクション?あの大仰なメロディ?あまりに正統派なロックについて?
う〜ん、どれも合っているようで合っていないような…。苦手なものは苦手なんだからしょうがない。

結論から言うと、彼等の最高傑作と名高いこのアルバムも、部分的には最高だが、総合的にはいまいち乗り切れないところで終わった。
まあ後ろ向きなことばっかり言ってもしょうがないんで、ひとまずレビューを始めよう。

このアルバムは、頑固なまでに求道的な姿勢を崩さなかった初期のイメージから一転、ブライアン・イーノの力添えもあって、ワールド・ワイドなスケールと包容力を帯びた初めての作品とされている。
そう、スケール感のでかさという点においては、まず比べられるものは見当たらない。特に冒頭の“Where the Streets Have No Name”、“I Still Haven't Found What I'm Looking For”、“With or Without You”の3曲から連なる、広大な荒野を連想させるような大陸的なスケール感は見事。エッジ特有の静寂を切り裂くように刻まれるギターも、抜群の効果を与えている。
ただこれらは紛れもない名曲だろうが、後半に進むに連れてスケール感は減退し、尻すぼりな印象を与えてしまうのは否めない。楽曲としても小粒。
個人的な好みで言えば、沈み込むようなダウン・ビートを展開する“Bullet the Blue Sky”なんかも好きなんだが。単純に曲順がイマイチなのか?まあ、こんな僕の意見なんで気にしないで下さい。

あとこの作品は、「アメリカ」という隠れテーマがあるらしく、その為か、ゴスペル、ソウル、ブルーズなど、さり気にアメリカのルーツ音楽を多く取り入れてることが特徴として挙げられる。だがさほどアメリカ的なおおらかさみたいなのは感じられず、U2ならではのスピリチュアルな世界がひたすら広がるのみ。逆に、どんな音楽をやってもボノの歌声とエッジのギターがあればU2になってしまうという、その芯がブレない感じが、長い間愛され続けてきた要因なのかもしれない。
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