そして僕は本当に「
ノルウェイの森」を読み返してしまった。
この二日間を通して、僕は読書しかしなかった。朝からウィスキーをちびちびとやりながら、狂ったように「ノルウェイの森」を読み耽った。
文章を追うのに疲れた時は、音楽を聞くか映画を観るなりして気分転換を計り、すぐにまた読書を再会した。家から一歩も出なかったし、入浴すらしなかった。まるで修行僧の様にそれを続けた結果、あれだけ長い長編にも拘らず、遂には読破してしまった。
こんな晴れた日の休日に何をやっているんだろうと、自責の念に苛まれることも何度かあった。
それが正しいことかどうか分からなかったし、むしろそうすることで僕の中の何かが損なわれてしまうような、ひどく憂鬱な気分になることもあった。(それは作品の内容にもよるかもしれない)
だけどとにかく僕は読書を続けた。そうしないわけにはいかなかったのだ。
読み終えた今も、果たしてこれが充実した時間だったのかすら判断がつかない。
ただ今回の件で、自分がいかにその時間を渇望し、いかに日々の生活でその時間が足りなかったのか、痛感しないわけにはいかなかった。
それはまるで、絶望的に乾いてしまった荒れ地に降り注ぐ大粒の雨のように、緊急的に補わなければならない類いの何かだった。
それは「ノルウェイの森」じゃなければならなかったのか。あるいは別の読み物でもよかったのか。
それを考察するには、このくたびれた頭に対していささか気が進まないので、今は風呂にでも浸かりながらたっぷり休息を取ることにしよう。明日からはまた乾いた荒れ地のような生活が始まるのだ。
やれやれ。
今回の日記は、言葉の言い回しまで村上春樹になってしまったな。
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