mixiユーザー(id:2230131)

2007年02月15日21:45

37 view

White Light/White Heat/The Velvet Underground

あのバナナジャケで有名なヴェルヴェッツの2ndです。

とにかく17分にも及ぶ壮絶なインプロ曲"Sister Ray"が聴き所。
冒頭はルーお得意の反復リフで始まるものの、段々とノイジーなギターと歪んだオルガンが火花を散らしながらぶつかり合い(正にwhite light!)、定型を崩したまま混沌の渦に巻き込まれていく…という、言わばノイズ/アヴァンギャルドの走りと言える曲です。
その手の音楽に興味がない人は、うるさい雑音が延々と繰り返されてるだけにしか聴こえないでしょう。(音質もすこぶる悪い)

この作品以降のノイズ・ミュージックと比べても、元祖であるこの曲はやはり異端な気がします。
例えば、マイブラのドリーミーなホワイト・ノイズは恍惚とした陶酔感を表現することに徹しているし、モグワイの轟音は空間的広がりを表現する為の音響装置として機能させている気がします。
"Sister Ray"は、ノイズによるカオスの美しさを説こうとしてはいない。あくまでカオスの為のカオスであり、ひたすら攻撃的なヴァイブを持っている。
不快感そのものを美意識として捉えるという考え方は、現代音楽の素養を持つジョン・ケイルの存在に依るところが大きいでしょう。

とは言え、個人的にはこの曲に寛容になりきれないというか…「今聴いても衝撃的である」という革新性以外で価値はあまり見出せませんでした。ガリガリと楽器がせめぎあう様はスリリングですが、僕はどこかで混沌の中に秩序を求めてしまうところがある。
そういう意味では、ポップなコーラス"White Light/White Heat"やカートもカバーした"Here She Comes Now"の方に惹かれてしまう。
しかしこれらの曲にも、例によってフリーキーなノイズが飛び込んできたり、歌い方が酔っ払いのおっさんみたいなので、メロディの美しさは奇形性の影に埋もれてしまいがち…。

やっぱりバナナの方が好き。
0 5

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2007年02月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728   

最近の日記