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2007年02月12日22:15

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Selected Ambient Works 85-92/Aphex Twin

エイフェックス・ツインことリチャード・D・ジェイムスが、14歳の頃から作りためていた楽曲をまとめた初期の作品集です。

コーンウォールという辺境の地で生まれ育った彼は、16歳になるまで他人のレコードを聴いたことがなかったそうだ。
つまり…14歳の時の曲は、何の参照点も必要とせず、音楽がどういうものかすら知らない全くの"無"から生まれたことになる。
嘘のような話だが、この極端に人間性が希薄なサウンドを前にすると、あながち信じられなくもないと思えてしまう。

アンビエント・ワークスとあるが、しっかりと強いビートが存在している。ただしミニマルに反復される構成が主で、総じて淡々としている。表情にも乏しいので退屈と感じてしまう時も…。
4つ打ちのキックを取って付けたようにアンビエントな楽曲に乗せてみせたり、アレンジメントにおいても稚拙さが目立つ。(14歳だもんね)
だが、その稚拙さが彼の無垢な側面を強調しているのも事実。
その後の彼は、人を喰ったようなアイロニーを武器にドリルンベースを炸裂させ、短絡的な理解を拒むかのような孤高な存在となっていく。しかしこの作品は、淡々としてるが故に、後の作品では味わうことの出来ない心地よい陶酔感を感じることができる。実際ここで鳴らされる音は、身体に素直に染み入ってくる感触があり、とても心地良い。(あくまで彼の作品として見ると、だけど)
この作品を未だフェイバリットに挙げるリスナーが多いのも理解できる。

それにしても、これってタイトルにもあるように85年〜92年制作なんだよねぇ…。
リリース時は、セカンド・サマー・オブ・ラブのムーブメントはいくらか沈静化してとは言え、沸騰したアシッド・ハウスの衝撃をものともせず、エレクトロニカの先駆けのような先進的な音楽を独りで黙々と作ってたんだから…。
凄すぎる…。
やっぱり当時から孤高だったんだなぁ。
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