mixiユーザー(id:2230131)

2007年02月09日14:56

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暖かい毛布

その日はいつものように、履歴書を書いて郵送したり、ネットやったり、求人誌に付箋紙を貼ったり、本屋で立ち読みしたり、音楽を聴いたりして過ごしていた。
そしてその日がどんな一日であろうと例外なく、最後は暖かい毛布に包まって終わることとなる。

この暖かさは絶対に手放したくないと思った。
それと同時に、ニュースで見た異国の人達のことをふと思った。フランスで大量発生している仕事にありつけないホームレス達と、北朝鮮で屋外で寝ているうちに足が凍傷になり切断するしかないストリート・チルドレンのことだ。
俺は何してるんだろう?

タマホームのCMが嫌いだ。
みのもんたの「普通の人が、普通に働いて、普通に家が建てられる。それが普通だと思うんだよね〜」てやつ。
どこが普通だ、バカやろう。
死ぬほど働いても寝るベッドさえない人がいるのに。そんな人々は僕達の数より何十倍も多いのに。
これ以上、虚構の"幸せのイメージ"を垂れ流さないでくれ。
ところで、俺は何してるんだろう?

俺は生まれながらにして、ありえないくらいの幸運にありつけている。
これは普通なんかでは勿論なく、異常だ。
減っていく貯金の残高に頭を抱えたり、抜け毛の量を気にしたり、就職試験に失敗して落ち込んだり、「俺は何してるんだろう?」って毛布の中で考えたり…。なんて贅沢な…異常な悩みなんだろう。

こんな理不尽な世の中があってもいいのだろうか。
なんで当たり前のようにして毛布に包まっていられる?
衝突に毛布が剥ぎ取られ、食料や住居や家族までも奪い取られるんじゃないか。いつか不当に得た幸せの代償を払う時が来るのではないか。
恐くて、恐くて、たまらない。

輪廻転成の教えに準ずるなら、俺は前世でそうとう良い行いをしたに違いない。苦難に耐え、努力して善行を尽くしたにも拘わらず、一切報われずに無念の死を遂げた人間だったのかもしれない。
だから、今こうして苦労もなく異常な幸せを手に入れている。そう思わないと生きた心地がしない。

欲張ってご褒美を貰いすぎた。
来世では再び地獄のような人生が始まるだろう。
そう思うと、恐くて死ぬこともできない。
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