mixiユーザー(id:2230131)

2020年11月20日12:36

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A Kind of Magic/Queen

 映画『ハイランダー 悪魔の戦士』のサウンドトラック用の楽曲をアルバム用に録音し直したとされるクイーンの12作目。

 映画のマテリアルだけあって、全体的に長尺曲(“ONE VISION -ひとつだけの世界-”、“プリンシス・オブ・ザ・ユニヴァース”)が増えるなど、シアトリカルな組曲が中心になっている。いかにも80年代映画チックな謎のSEも頻出する(笑)。

 前作『ザ・ワークス』が、ある種、基本に忠実にカッチリと作られた真面目なアルバムだったことと比べると、本作は正反対のド派手な演出が満載。ブライアン・メイのヤケクソ気味な“ギミ・ザ・プライズ”とか、今の耳で聴くとただうるさいだけのハード・ロックに聴こえてしまう節も。
 80年代という時代が作らせた向きもある。だがクイーンを苦手な人からしたら、この辺はおそらくもっとも毛嫌いする類のサウンドなのだろうと予想できる。

 なので個人的には、前半のジョン・ディーコンとフレディー・マーキュリーが共作した一連のバラッド群がお気に入り。とりわけフレディーが珍しくファルセットで全編歌い上げる“喜びへの道”は、彼の乙女な要素と、ディーコンのブラック・ミュージック的な趣味がうまく噛み合っていて素晴らしい。前述した「80年代」という切り口で言えば、こういったブラック・コンテンポラリー的なサウンドは後に再評価されたりもしたし、今聴いても一週廻って悪くない感じがする。

 実は色んなタイプの音楽をやっていたクイーンだけれど、一般的にイメージされるド派手なサウンドよりも、“キラー・クイーン”や“懐かしのラヴァ―・ボーイ”みたいなしっとりした曲の方が、実は好き。アルバム全編、この路線でいってくれたら嬉しかったのに。
(ちょっと“ボヘミアン・ラプソディー”シンドロームに陥ってる感も)

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