mixiユーザー(id:2230131)

2020年01月06日12:40

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Bitches Brew/Miles Davis

 オール・ジャンルの名盤企画では必ず上位に食い込んでくるマイルス・デイヴィスの『ビッチェズ・ブリュー』だけれど、ジャズ初心者である自分には、少々敷居が高すぎる難物だったかもしれない。

 とりわけCD1枚目(前半)に収録されている2曲、特にタイトル・トラック“ビッチェズ・ブリュー”は極めて難解で、普通に聴くとジャズというより前衛的な現代音楽のような趣。あと表面的なツッコミになってしまうが、いくらなんでも2曲で47分というのは長すぎないか?(笑)。(余談だが、車内で寝ている上司を隣に乗せて移動しながら流していたが、「夢でうなされた」との談)。

 このアルバムにジャズっぽさをあまり感じないのは、16ビートを基調としたリズム面での違和感が大きな要因と思われるが、いわゆる普通のソロを廻していかない変則的な構成だったり、単純にフレーズ自体がキャッティーではなかったりで、あらゆる点で従来の聴きやすいジャズとは一線を画すような試みが成されている(ように思える)。う〜ん、正直これはしんどい(笑)。

 ただ2枚目(後半)は比較的聴きやすく、曲調もバラエティーに富み、いわゆる普通のジャズっぽさを残した曲が多い。グルーヴィーな “スパニッシュ・キー”は、個人的には本作のハイライト。シンプルだが絶妙なタイム感のウォーキング・ベースとハットの軽やかさが実に心地良い。ロックとジャズの融合みたいなことをとかく言われがちなアルバムだけれど、僕はこの曲からはファンクを強く感じる。

 続く“ジョン・マクラフリン”は、その例えで言うとブルースとジャズの融合か。というより、黒人音楽を経由したエレクトリックなブルーズ・ロックという言うべきか。曲名にもなっている(笑)ジョン・マクラフリンというギタリストが、アルバムの至るところでかなり貢献している。

 その後の“マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥ・ダウン”は、テーマのメロディについては今までの張り詰めた悪夢的世界観から比べると明るく、まったりとスウィングするカッコいい曲調になる。それなのに(それだからこそ?)ソロはやたらとテクニカル。意味わからん。

 というわけで、印象的なフレーズが押しては返す波のように時折顔を見せるけれど、全体のムードとしては呪術的というか、ヴードゥー的と言うべきか、どんよりと妖しくダークな質感もあってか、気楽に聴ける作品ではないのは確か。僕はいまいち真価を掴み切れずにいる。(もうちょっと普通のジャズから聴いてみようか)

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