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2019年05月30日23:24

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そのろく/たま

 放送コードに引っ掛かるという理由で(笑)メジャー・リリースできなかった数曲を含む、「たま」4人体制としてはラストになる6作目のアルバム、その名も『そのろく』。

 製作時期もバラバラで、どこか寄せ集め感が漂っていて、早く辞めたがっている柳原幼一郎の手前、「最後の大掃除」をしたかったのかな?などと邪推してみたり(大人の事情は知らないので完全に憶測で言ってます)。

 そんな事情を裏付けるように、本作に収められている柳原のペンによる曲は持ち前のポップな明るさが遺憾なく発揮していて、いや逆に発揮され過ぎていて(笑)、どこか捨て鉢のように感じられるのは気のせいだろうか。
 だが反面、他メンバーのひたすら陰湿な楽曲をうまく中和するような役割を担っており、バランスで見たらこれはこれで良いのかもしれない。
 そして、「放送禁止」ないわくつきのアルバムに相応しい男(仮)、石川浩司の曲はアルバムでもっとも多く収録されていて、ひとり気を張っている印象がある。この男がアルバムを支配するとき、辺りにはフリーキーな空気が満ち、そして音楽としてはもっとも非・音楽的な異物へと豹変する。(それはもっとも純・音楽的な作曲家だった柳原がもっとも嫌いとする形でもある)

 石川浩司という人物は、その曲から声からルックスからなにからなにまで個性的で、「たま」のパブリック・イメージの重要な部分を占めているキーパーソンなのは認めるところ。
だが彼の手掛ける曲は通俗的なギャグに走りすぎるきらいがあるというか、正直言ってコミック・ソングと呼ばれても仕方のないような曲も少なくない。
 
 ところが本作では、中原中也の詩に勝手に曲をつけた“月の光”で意外とまともなメロディで比較的まともな歌を歌っている。文学的ですらある。これはどうしたことか。
 一際異彩を放っているのは、「たま」らしからぬライブ録音による“カニバル”。この曲では石川らしいフリーキーな狂気を全面開花させることで、前述した弱点を補い、生まれた余白をバンドが使って底力(インプロビゼーション能力)を見せつけることに成功した。

 こんな壮絶な曲が最後だなんて、いかにも「たま」らしい有終の美ではないか。(まだ終わってない)
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