mixiユーザー(id:2230131)

2012年10月28日04:51

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Standing on The Shoulder of Giants/Oasis

 オアシスの音楽をアルバム単位でしっかり聴くのなんて、3作目の『ビィ・ヒア・ナウ』以来なんで、それこそ十数年ぶり(!)になるかもしれない。

 ブリットポップ当時、圧倒的にブラー派だった自分は彼らの音楽にそこまでのめり込めず、ロックなのにリズム・セクションが弱いだとか、展開がワンパターンだとか、とにかくサウンド的におもしろみを感じられなかったのが主な要因。
 ただその一方で、ノエル・ギャラガーの作曲能力に関しては素直に認めざるを得なく、“ホワットエヴァー”とか“ドント・ルック・バック・イン・アンガー”みたいな曲は本当に掛け値なしの名曲だと思っている。なんだかんだで初期2作は聴きまくってたし。

 で、久々に手に取ってみた4作目の『スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ』なんだけど、結論から言うと、やっぱりそれまでの印象を大きく覆すものではない。かと言って、評論家が貶しているほどクソミソに悪くはない。いや“ゴー・レット・イット・アウト!”とか良い曲もいっぱいあるじゃん!という…。なんとも歯切れの悪い物言いになってしまうけど、概ねそんな印象(笑)。

 そもそもオアシスというバンドに何を期待するかという話になるんだけど、メロディの良い曲、つまり合唱せずにはいられないオアシス型アンセムが、初期2作に比べると圧倒的に少ないのは明らか。
 その一方で、ドラムループやサンプリング、テープ逆回転など、新しい手法を積極的に取り入れることによって、ただメロディックなだけのロックではない、もっと拡がりのあるサウンドを志向しているのは新境地と言えるかもしれない。たしかに聖歌隊コーラスを取り入れたリアム作の“リトル・ジェームス”なんかは、なかなか荘厳な仕上がりになっている。

 はじめに否定的なこと書いたけど、不思議なことに本作をわりあい好意的に受け止めている自分がいることに気付く。しばらく「安心して聴ける王道ロック」から離れていた反動なのか、リアムのカリスマ然としたボーカルはいつ聴いてもかっこいいし(いつのまにか歌うまくなってる)、“ゴー・レット・イット・アウト!”におけるモロに“ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー”ちっくなメロトロンの音色だったり、モロにポール・マッカートニーが弾きそうなベースやギターの音が作品中に散りばめられていたり、当初はベタ過ぎると感じていたビートルズ・フォロワー的な側面も、今は微笑ましさすら感じている。
 僕も一周して大人になったということでしょうか。そのうち次作も聴こう。
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