昨日、友人と”インターナショナルシアターカンパニーロンドン”という劇団による、シェイクスピアの「マクベス」を観に行きました!
(当日写真を撮らなかったので、ネットから拝借)
この劇団の舞台を観るのは、今回が2回目。
実は、94年から毎年二回日本公演を行っているのだとか。
ちょうどこの舞台を観に行こうか考えていた頃に、
「外国人が日本に長く居過ぎてしまったと実感するとき」
という、アメリカ人のジョークの記事を読みました。
You think "English literature major" is a polite way to say peanut brained bimbo.
英文学専攻が、バカ女を形容するときのオブラートに包んだ言い方だと思うようになる
欧米では英文学科といえば、シェークスピアなどの古典にも強く才女のイメージがあるのだとか。
それも意外だったけれど、日本ではシェイクスピアの一節も言えない女性ばかりがいる学科というイメージが、外国人の間でそこそこ浸透していることにびっくり
かくいう私も英文科卒。
ご他聞に漏れずシェイクスピアって何ですか?という学生生活でした。
でもTo be or not to be(生きるべきか死ぬべきか from ハムレット)くらい知ってるよ!
もともと、単に英語や海外が好きだから、という理由で選んだ英文科。
「なぜイギリスに語学留学しに行ったの?」と聞かれると、昔はよく「不思議の国のアリス」や「シャーロック・ホームズ」が大好きで。。。と答えて苦笑されたものです。
でもこの2つの作品だって立派な英文学!
それに関するエピソードはまた別の時にでも。
一般的には、英文学といえばシェイクスピア。
だということを、入学してから知りました
当時の私はシェイクスピアアレルギー。
おぼろげな記憶の中に、作品を英語で読んだり対訳と照らし合わせたりしていたような気がするけれど、とにかく本を開くのも嫌なくらい毛嫌いしていました。
なんだろなー。
古典だからしかたないんだけど、独特の言い回しとか、まどろっこしくてくどい台詞の応酬に辟易していた気がします。
(それさえもあまり覚えていないくらい内容の記憶がない)
短大時代の2年間、私はいったいどうやって勉強していたんだろう。。。
数年前に観たのは「ロミオとジュリエット」だったからまだとっつきやすかったけれど、今回は四大悲劇のひとつといわれる作品。
”重苦しかったらどうしよう”
一抹の不安を抱えつつ観に行ったのですが。。。
全く苦にならず面白かったです!
物語は(有名過ぎるくらい有名なんだろうけれど)将軍マクベスが魔女の予言に翻弄されて野望に狂い、スコットランド王の座を手にしたものの、魔女の予言や殺した戦友の幻影に怯え結局滅ぼされてしまう、殺し殺されの物語。
(ちなみに最初のほうでスコットランド軍が勝利を上げた相手はノルウェー軍)
わかりやすい人物設定にわかりやすい展開。
そりゃあそうですよね、シェイクスピアは今から400年も前に、世の中の全ての物語の原点を作ったパイオニアのような存在なんですから!
学生の頃は嫌で嫌でしょうがなかったシェイクスピアだけど、今さらながらにその面白さを実感できたひとときでした。
お芝居は全て英語でしたが、ちゃんと横に字幕つきでした。
とはいえ、字幕を観ていると舞台が見えないので全部を読んでいるわけにはいかなくて、ひとつよくわからなかったのが、魔女たちの最後の予言
「女が産んだ者(one of woman borne)には倒されることはない」
の意味。
この予言によってマクベスは、「ならば私は誰にも倒されることはないのだな」と安心するのですが、結局妻子を殺されたマクダフによって倒されてしまいます。
”あれ?マクダフだって女から生まれたのになんで?”と思ったのですが、ネットで調べてみたら疑問に思っている人はたくさんいて、ちゃんと解説もされていました。
one of woman borneには自然に生んだ者という意味合いもあり、マクダフは「私は母の腹を裂いて生まれたのだ」と言ってマクベスを倒します。
つまり、帝王切開で生まれた=自然分娩じゃない、と。
なるほどー!
ここらへんのひねりが面白い
果たして魔女は実在していたのか
欲に目がくらみ、目の前の幸せに満足できず、狂気に陥ってしまう人間の浅はかさ
あぁ、先生、今ならわかる気がします。
シェイクスピアの面白さ
あの頃こんな探究心があったら良かったのにねぇ。
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