映画の『異教徒の旗印』を視聴。フン帝国の帝王アッティラの侵攻に抵抗する西ローマ帝国の百人隊長マルキアヌスを主人公としたシネマスコープ。1954年の作品であるため、今の視点から見れば、時代的な限界を強く感じる。
フン人は狂暴な「異教徒」であるアジアの「蛮族」で、キリスト教とローマ市は大正義だが、東ローマ帝国は西ローマへ奉仕しなければならない。アッティラに弱腰の東ローマ皇帝テオドシアスは扱いが悪い。カトリックとローマが第一のマルキアヌスにアッティラの娘クブラや東ローマの皇妹プルケリアから惚れられる。コンスタンティノープル市の軍民もマルキアヌスに同調する。
本作には「東洋」ばかりか東欧への蔑視もあるのだろうか。アッティラの占い師がペルシア人とされるのも、「オリエント」への蔑みを反映しているのかも知れない。冷戦や中東での紛争が影響しているとも考えられる。
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