韓国映画趣味で『国家が破産する日』(原題:国家不渡りの日 DEFAULT)を鑑賞。
あらすじ。
1997年11月。経済先進国への仲間入りを果たし、学生は内定企業から祝い金を受け取るなど好景気を謳歌していた時代。経済危機が静かに迫りつつあった。
危機を察知した韓国銀行の通貨チーム長シヒョン。危機回避に奔走するが、政府の対応は遅れ、一刻も早く危機を公表しなければ国民は大打撃を受ける、という主張も無視される。
同じ頃、ある金融コンサルタントも危機の兆候をつかみ、仕事を辞め顧客を集め、逆張りに打って出る。
ある町工場経営者のガプスは、大手百貨店からの大量の受注を約束手形で引き受けてしまう。
その後、危機が発覚し混乱が起きる。まずは通貨危機から。その後、債務問題に発展する。韓国政府は国民には内緒で国際通貨基金(IMF)に頼ろうとする。しかしその道は、格差を拡大し国内経済、特に中小企業に大打撃を与えるとシヒョンは猛反対するのだが、この機に構造改革を推し進めようとする次官に押し切られ...
感想。
いわゆる韓国IMF危機の内幕を描いた作品。裏面を3つの視点から描いているだけで、映画になっていない、つまり見せる工夫がほとんど無いんだけど、時代への興味で観てしまった。
危機があっと言う間、ホントに一週間程度で進んでしまったのにビックリ。一部の人を除き、油断し切っていたんでしょうねぇ。みな、呆然としたに違いない。
韓国はこの危機を機に、日本型人情社会だったのが米国型ドライ社会に構造改革し、それで一人当たりGDPが日本に並ぶトコまで来たんだけど。その代償として、多くの失業者と自殺者を出すなど格差が拡大した。経済成長のため、そういう道を日本も選ぶべきか?参考になる。
ちなみに、字幕の監修は浜矩子。劇場初上映時の解説は松尾匡。ほぼほぼ正反対のスタンスの論客が関わっているのがオカシイ。浜は「国家は油断してると破産する」という立場、松尾は「国家は本当は破産なんかしないのだ」という立場。
キネ旬では星2・3・4つ評価。私は星3つ評価です。
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