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2019年10月19日13:50

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初恋の人と逃避行

初恋の人と逃避行

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「早く 早く この列車に乗ろうよ」

「ええ、そうね」

走ってる遅い彼女を後にグングン一人で走り

列車に駆けこんだ、と途端に列車は動き出し

不思議にもドアが開いたまま景色が流れ出す

次の瞬間、急に何故か直ぐに降りなければと
直感し、然し下を見れば加速も早くレールや
枕木が後方へと飛んで行く様に見える

飛び下りるなら今しかないと勇気を振り絞り
思い切って飛び下りた!

膝をクッションの様に曲げ線路上に敷かれた
砂利(バラスト)の中に転がり落ちたが特に
怪我は無かった

彼女が心配になり何度も名前を呼んでいた
「ゆうこさ〜ん」「ゆうこさ〜〜〜ん」

すると、
「は〜い、ここよ〜」

オカシイ事に線路前に倉庫の様な空間が広がり
荷物や乗客などに溢れていた中から彼女が手を
振りながら、駆け寄って来た

「君も列車から飛び下りたの?」
「ううん、乗らなかったのよ」

「そうか、でも君も無事で良かった」
「乗ろうとしたのよ、でもよく解らないの」

「僕もさ、あのまま乗ってたらもう戻って来れない
 そんな気がして、取り返しが付かなくなるような」
「アタシも、だから急に乗る事を止めたのよ」

そして僕は何も考えずに彼女を抱きしめてキスをした

彼女は初め少し顔を背けようとしたけど素直に応えて
くれた

二人が、景色が、場面が、時間が・・・飛ぶように
目まぐるしく流れて行った・・・不思議な感覚だった

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