共犯関係を結んだ蜜月からの便りが途絶えて
心に絡まる蔦の後始末に追われるように
痩せ細った枝葉を乱暴に撫でる
憮然とした温もりから空気が抜けるようね
殺傷能力を奪われた爪で恨みを引っ掻いても
風に翻ったあなたの気持ちは戻ってこない
蒸発して乾いていくタオルで肌を拭えば
かさかさにひび割れる落ち葉を箒で掃くようね
あなたに乱された時計が針を生やそうと
骨抜きになった指針を打ち立てようと
床を転げ回って千鳥足で秒針を飲み込むのに
逆回転する涙が感情を干そうとしてるね
吠えることを封印された狼みたい
満月を撃ち抜けずに心臓に月影が揺らぎ
次の新月までには心の鏡面は凪ぐのだろうか
湖に映える朧はすべてが私の幻を投影するのね
もういい加減にお眠りなさい
水も空も月も夢も愛もおしなべて眠りのさなかへ
ひしめくようにさみしくならないように
ちゃんと詰め合わせてお膳立てしてねんねなさいね
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