mixiユーザー(id:212781)

2021年06月15日16:22

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息絶え吹き返すあぶく

岸に打ち上げられ座礁するまでの時間稼ぎ
どんな体勢で着地しようかなど思えない
衝撃と共に砕けることを望んでいた
その前に力尽きて溺れるかもしれない

空気中にさえ紛れ込もうとする海の香り
意識を程よく調律するBGMになり得るか
音程を外した想いが奏でられるたびに
呼吸の中に塩辛く苦々しい過去が混ざる

お前は不純物か
摘発されて除去されるのを願うのか
願わくばすべてを汚染させてから
きれいなものの腕の中で息を閉ざしたい

甘美な残り香さえ波は洗っていく
毒牙を敷き詰めて肉に赤い染みを刻むように
私の裂傷は傷でしか証明を果たせない
雫が祈りとなりてあの日に滴るから

石鹸の歌が聴こえてくる
校庭の銀の蛇口に結わい付けられたネットに
固形石鹸はいつも空気中に歌を垂れ流していた
私が死の間際に検死を受けるなら
幼い頃からの記憶の陰も洗われるだろうか

教育で洗脳されたありもしない夢の裾野で
すべてを切り裂きたくなったり
すべてを愛してみたくなったり
めまぐるしく駆け巡る純情は
ころころ転がりつかめない石鹸のようだった
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