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2021年07月27日05:58

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ジャンボ鶴田怪物伝説(828)

87年「創立15周年記念新春ジャイアント・シリーズ」は恒例の1月2、3日の後楽園ホール昼興行で開幕。ジャパンプロレス勢参戦以後の85年は1月2、3、4日、86年は1月1、2、3日と後楽園ホール3連戦が行なわれましたが、3年ぶりに2連戦となり、同じく3年ぶりに長年ファンに親しまれて来た「新春ジャイアント」のシリーズ名が復活しました。

タイガー・ジェット・シン、カート・ヘニング、ア・シーク、フランク・ランカスター、ネルソン・ロイヤル、マーク・レーガンの外国人選手がシリーズ全戦参加。後楽園ホール2連戦のみザ・デストロイヤーが特別参加しています。

86年「世界最強タッグ決定リーグ戦」の後であり、また初のシリーズ全戦参加となる輪島大士が主役でもあったことから輪島の国内デビュー戦の相手を務めたシンが抗争相手としてヒールサイドのエース外国人としてトップの扱いの他は大物外国人はおらず地味なメンバーが集結しました。

シンは前86年10月の「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」以来2シリーズ2か月ぶりの来日、前回の来日では10月7日、徳島市立体育館で天龍の持つUNヘビー級王座に挑戦、20分10秒に両者リングアウトで引分け。シリーズ最終戦の11月1日、七尾総合市民体育館では輪島の国内デビュー戦の相手を務め、5分55秒に両者反則となりましたが、往年の猪木との抗争で全国区のネームバリューを発揮、視聴率ビデオリサーチ17.7%、ニールセン23.5%を弾き出しました。

今シリーズは本格参戦する輪島の抗争相手として全日本プロレスでは久々の単独主役エースであり、これまで大物揃いの中で本領発揮出来なかった分を取り戻し「怖い」シン復活なるか?

カート・ヘニングは85年11〜12月の「世界最強タッグ決定リーグ戦」にニック・ボックウィンクルのパートナーとして参戦して以来1年1か月ぶり、全日本には2度目の来日。初来日は83年11〜12月の新日本プロレス「第4回MSGタッグ・リーグ戦」(パートナーはボビー・ダンカン)。

WWFのビンス・マクマホンによる全米制圧の影響を受け、弱体化してしまったとは言え、次期AWA世界ヘビー級王者の最有力候補。今シリーズは実質的にはナンバー2として1月17日、長州力の地元である山口県徳山市(現在の周南市)体育館で長州のPWFヘビー級王座の挑戦者に抜擢されました。日本ではまだまだメインイベンターとして認知されてはいませんが、年齢的にも28歳と伸び盛りであり、長州の地元で一泡吹かせることが出来るか注目です。

ア・シークは前86年10月「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」にマスクマン、ミスター・オリンピアとして初来日したジェリー・スタッブスが、今回は素顔でアラビアンギミックに変身して2度目の来日。

アラバマ、ルイジアナ、オクラホマといったアメリカ南西部で活躍していたキャリア11年の中堅レスラー、ジェリー・スタッブスの変身。52年生まれの34歳と年齢的にも油の乗ったところ。

75年にアラバマでデビュー、80年にはロン・フラー主宰のSECWでマスクマンのザ・マタドールとしても活躍した時期もありましたが81年1月にはレス・ソントンを破り短期間ながらNWA世界ジュニア・ヘビー級王座にも就いた実績がありました。

前回のオリンピアとしての初来日では10月16日、山口県下関市体育館でジャパンの小林邦昭と世界ジュニア・ヘビー級王座次期挑戦者決定戦で対戦し6分52秒、フィッシャーマンズ・スープレックスホールドで完敗しておりいいところなし。体格的にもジュニアはいささか無理があり、今回はいきなりアラビアンギミックのア・シークに変身。シンのタッグパートナーとして輪島との抗争で実力を発揮したいところです。

初来日のフランク・ランカスター、60年アラバマ州出身の26歳の新鋭。ボディビルでミスター・アラバマ、ミスター・フロリダのタイトルを獲得した後、アラバマ地区のプロモーター、バディ・フラーを頼ってプロレス入りし85年デビュー。今シリーズは1月31日、八戸市体育館で天龍のUNヘビー級王座への挑戦が決定しており、初来日で馬場の期待に応えられるか?

ベテラン、ネルソン・ロイヤルは35年ケンタッキー州出身、当時51歳で既に引退していましたが、ノースカロライナ州に在住して自身のレスリングスクールを持っており、86年9月に馬場の依頼により輪島の指導を行ったことで対輪島要員として現役として久しぶりの来日となりました。

69年2月に日本プロレス、ポール・ジョーンズとの「牧童コンビ」で初来日、70年4月の「第12回ワールド・リーグ戦」にもジョーンズと共に再来日。小柄ながらスピーディーな試合ぶりで高評価を得る。全日本プロレス黎明期にも何度か来日。

76年12月にロン・スターを破りNWA世界ジュニア・ヘビー級王座を獲得し、長期政権を築き、日本でも防衛戦を行い、78年5月11日には大阪府立体育会館でアル・マドリルを破って王座防衛。帰国後、マドリルに一度は王座を奪われたがすぐに奪回するも引退し王座返上。

79年10月5日、国際プロレスの後楽園ホール大会にNWA世界ジュニア・ヘビー級王者として来日、阿修羅・原と防衛戦を行い、14分45秒、両者リングアウトで王座を守るもNWA加盟団体である全日本プロレスと新日本プロレスから王者としての真偽を問われクレームが付けられたました。

来日はそれ以来ということになり7年3か月ぶり、全日本プロレスへは8年6か月ぶりとなりました。

初来日のマーク・レーガンはザ・デストロイヤーの弟子となる黒人レスラー、86年8月に輪島が米国でのデビュー戦を終えた後、ニューヨーク州バファローにあるデストロイヤーのジムでトレーニングを積んでいた時に輪島のスパーリングパートナーを務めており、輪島要員としての来日。プロレスラーとしての実績が不明であり実力は未知数です。恐らくデストロイヤーへの義理で馬場が呼んだとしか思えません。

後楽園ホール開幕2連戦のみ特別参加のデストロイヤーは86年7月の「サマー・アクション・シリーズ」以来半年ぶりの来日、今回は弟子のレーガンの後見人的な立場での来日。既に56歳の大ベテランであるが、長年全日本プロレスで活躍して来てファンに愛されており、全日本とジャパンプロレスの殺伐とした抗争の合間に、正月らしい華やかさと楽しさを見せてくれそうです。

こうして見ると、外国人はカートとデストロイヤー以外は全て輪島要員であり、輪島の初のシリーズ参戦は何としても失敗出来ない(ボロは出せない)という馬場の考えがよく現れているメンバーだと思います。
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