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2021年02月17日22:24

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週プロ流智美あの日あの時予想2020年総括(42)

第158戦 10月28日発売号○「密林王」グレート・アントニオ、16年ぶりに来日し新日を襲撃、坂口征二vsゴールデン・ファルコン(注)流さんの抽出試合は猪木&星野勘太郎組vsアンドレ・ザ・ジャイアント&スティーブ・ライト組(77年新日本プロレス福生市民体育館)【参考】2015年10月28日発売号は「反則負け」でメジャータイトル初の移動、インターナショナル・タッグ選手権試合、馬場&鶴田組vs大木金太郎&キム・ドク組(76年全日本プロレス蔵前国技館)

【解説】61年の日本プロレス「第3回ワールド・リーグ戦」に初来日した密林王グレート・アントニオ。198cm、200kgの巨漢レスラー、開幕戦を前にした神宮外苑前絵画館前広場で人の乗ったバスをチェーンで引っ張るデモンストレーションで一躍注目を浴び、大人気に。

5月7日、奈良・あやめが池公園特設リングでは当時の観客発表では最高の36,000人の大観衆が集まりましたがこの大人気を自分一人の人気と思い込んだアントニオは高慢な態度を取るようになり、力道山に対し、ギャラアップと契約期間の延長を申出。これに対し怒ったのが同じリーグ戦に参戦していたシューターとして知られているミスターX(ビル・ミラー)とカール・クラウザー(ゴッチ)、それに水兵上がりで喧嘩屋として恐れられていたアイク・アーキンスの3人の武闘派でした。

この3人に睨まれたらアントニオはたまらない。先ず5月21日、岡山市営体育館でスペシャルマッチ30分1本勝負でクラウザーとアントニオのシングルマッチが組まれました。

クラウザーが低い構えからアントニオの足を取り持ち上げて倒し、アントニオは来日以来始めてのテイクダウンを奪われました。クラウザーがバックからリストロック(逆腕固め)、アントニオは巨体を利してこれを弾き飛ばしました。

カッとなったクラウザーはパンチ、ヒジ打ち、顔面に頭突き、さらに鼻に膝蹴り、アントニオは鼻血を出しながら持ちこたえ、クラウザーを場外に引きずり出すことに成功、場外の殴り合いで4分52秒、両者リングアウトの引き分け。

結果はドローでしたが、クラウザーは喧嘩マッチでアントニオを制裁。さらにその後、控室に帰ったアントニオにX、クラウザー、アーキンスの3人が監禁して殴る蹴るの暴行を加えるというリンチ事件が発生しています。

力道山もX、クラウザー、アーキンスの不穏な動きは知っていたと思われ、来日していたブッカーのグレート東郷にアントニオの商品価値を下げないように指示。

6月2日、蔵前国技館でアントニオの挑戦を受け、インターナショナル王座の防衛戦を行った時は1本目は4分、場外でアントニオの顔面を蹴ってリングアウト勝ち。2本目は1分58秒、袈裟斬りチョップからの体固めで2−0のストレート勝ち。プロモーターである力道山自身の手でアントニオを潰してしまいました。プロモーターの力道山がアントニオの商品価値を下げたことで「ならもうOKだな」と解禁となったか6月9日、高松市体育館でのミスターXとアントニオの試合はリング上でXがアントニオの顔面を殴り付け、アントニオはリングを降りて控室に帰り、そのまま途中帰国してしまいました。(試合はアントニオのリングアウト負け)

その後消息を絶ち、試合の情報も入ってこず死亡説まで流れていたアントニオでしたが、77年夏、カナダのモントリオールに姿を現しました。カルガリー在住の国際プロレスのブッカー、大剛鉄之介とカルガリー遠征中のマイティ井上とスリーショット写真に収まっているのが月刊プロレスに掲載されました。 

しかし、これが国際の脇の甘いところです。多くの読者は「アントニオ、生きていたか!」で済んでしまうところですが、単に遊びにモントリオールに来た訳ではなく、大剛が国際プロレスに招聘しようと動いたのはまちがいのないところ。これはむしろ実際に来日するまで極秘にしておく案件でした。

アントニオは新日本プロレスが横取り。この日の「闘魂シリーズ第2弾」開幕戦、福生市民体育館のテレビ生中継のセミ前の坂口征二vsゴールデン・ファルコン(フランシスコ・フローレス、メキシコUWA代表とは別人)戦に突如として乱入したアントニオは坂口に手を出し大暴れ。

流さんの本文ではメインの猪木&星野勘太郎組vsアンドレ・ザ・ジャイアント&スティーブ・ライト組とありますが、テレビ放送開始隣って直ぐに入ってきており、月刊プロレス77年12月号では場外で坂口を襲うアントニオの写真が掲載されています。ただ、メインの時にもう一度、客席後方に姿を現したような記憶も無きにしもあらず…。

アントニオは無法乱入を繰り返し、11月9日、室蘭市体育館大会の前にはマイクロバスを引っ張るデモンストレーションを16年ぶりにやって見せ、11月18日、松阪市総合体育館から試合に出場、星野&永源遙&木村健吾組と1対3ハンディキャップマッチで対戦、2分43秒、アントニオが永源を体固め。

猪木とのシングルマッチは先ず11月29日、広島県立体育館のノーテレビ大会で組まれ、6分15秒に猪木の反則負け。12月1日、大阪府立体育会館では坂口征二とシングルで対戦もゴング前からの乱闘で試合タイムなしのノーコンテスト。

シリーズ最終戦、12月8日、蔵前国技館で猪木とアントニオの再戦が行われ、最初は静かな立ち上がりでしたが、猪木のタックルを効かない、とばかり「ホッホー」みたいな声を上げてアントニオがアピール。するとこれに切れた猪木がアントニオを倒して顔面にキックを打ち込んでアントニオは戦意喪失、3分49秒に猪木のKO勝ちとなりました。

これより16年前のクラウザーとアントニオの試合経過を読むと猪木戦に酷似しており、この時は若手の一人としてアントニオとハンディキャップ戦をやっていた猪木がクラウザー戦を目の当たりにしており、ヒントにしていたかと思います。

※対戦成績は158戦32勝126敗、勝率203。
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